厳しい船出になっても、日本ハムの新庄剛志監督は意に介していない。「勝ち負けというより、今のファイターズは経験を積み重ねて日々成長していくチームなので」。開幕から1勝8敗で最下位に沈んでいるが、現時点では育成重視の姿勢を曲げない。 開幕3連戦では、1軍メンバーを全員起用した。理由は公式戦を早く経験させて緊張感から解放させたかったから。「経験が一番のポイント」と言い、投手に関しては「打たれた次の日に、同じ場面で投げさせたいくらい」と話した。 試合中は自身の勉強の場と捉え、どんなプレーが起きるのか、予測しながら戦況を見守る。ある試合では「サインは出していなかったけど、(予想は)ほとんど当たっていた」。局面ごとに相手がどう出るかを考えて答え合わせをし、采配に生かしていくつもりだ。 結果が出た場面もある。1日のオリックス戦では五回2死一塁の初球に松本剛が二盗に成功。山岡が投じたのはスライダーで、変化球を予想した上でのサインだった。「この投手はこのカウントでこうくるとか、確率の問題でね」 キャンプから続ける選手の見極めは5月までをめどとし、その後はメンバーを固定して戦うことを示唆している。6月からは「来年に向けてめちゃくちゃ大事になってくる」と位置付けている。シーズン序盤は苦戦も想定内。「この場所で終わるチームではない」。ビッグボスは巻き返しへの青写真も描いている。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕オリックス戦の7回、試合を見詰める日本ハムの新庄監督(左)=2日、京セラドーム 〔写真説明〕西武戦の6回、投手交代を告げるため、ベンチを出る日本ハムの新庄監督(左)=3月30日、札幌ドーム