初めて本拠地で白星を挙げ、上がったお立ち台。ロッテの佐々木朗は恥ずかしそうに言った。「最高です」。8回3安打1失点、13奪三振の圧巻の投球。3年目で、速球派の真価をファンにはっきりと示した。 3月27日の今季初登板ではコースを狙おうとして力み、球数がかさんだ。その反省から「脱力」を心掛けた。大胆に投げ、ここぞの場面では厳しいところを力強く突いた。七回無死三塁では中村を160キロの外角直球で押し、最後はフォークで空振り三振。「コースに投げ切れた。直球が良かった」。この回を内野ゴロの1点で切り抜けた。 チームを背負う責任感にあふれている。2月の実戦初登板で、いきなり163キロを記録。前回登板でも自己最速の164キロをマークしたが、「スピードは意識していない」とそっけない。今季の目標は「しっかり1年間ローテーションで投げ続けること」。球速よりも勝てる投手に。その覚悟が20歳に備わっている。 プロ入りから2年間で蓄えたものを、いよいよ発揮できるという確信がある。次回も中6日で本拠地での登板。「たくさんのファンの前で投げることは力になる。その中でいい投球をしたい」と誓った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕力投するロッテ先発の佐々木朗=3日、ゾゾマリン 〔写真説明〕西武に勝利し、笑顔を見せるロッテの(左から)松川、佐々木朗、平沢=3日、ゾゾマリン