甲子園球場で31日に行われた第94回選抜高校野球大会の決勝で、近江(滋賀)は敗れ、春夏の甲子園を通じて滋賀県勢の悲願だった初優勝に届かなかった。それでも野球部のユニホームと同じスクールカラーの青に染まった一塁側アルプススタンドからは、大きな拍手が送られた。 学校一丸で戦った。京都国際の辞退で大会直前に繰り上げ出場が決まり、応援団も準備の時間は少なかったが、球場を大いに盛り上げた。 ダンス部の川畑萌夏さん(16)は「普段はヒップホップなどのダンスをしていて、チアダンスはしていないが、(チアの)振り付けを練習してきた」。吹奏楽部も10曲以上を演奏。部長の福永千秋さん(17)は、「甲子園で吹きたくて近江に来ている生徒もいる。私たちにとっても特別な場所」と感慨を込めた。 近畿大会は8強に終わった昨秋からの躍進。主将としてチームを引っ張った山田陽翔選手の父、斉さん(46)は「まさかここまで来るとは思っていなかった」。1番打者の津田基選手の父宗治さん(56)は「チームワークが良くなった。これをつなげてほしい」と今夏に期待を込めた。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕閉会式の場内一周で、応援席の前を歩く近江の選手ら=31日、甲子園