大阪桐蔭にとって試合間隔が空いたことは問題にならなかった。広島商の辞退で2回戦は不戦勝となり、迎えた準々決勝。強豪を破ってきた市和歌山を投打に圧倒した。 記録ずくめの猛打だった。五回の谷口のソロに始まり、六回は伊藤が1イニング2発と次々にアーチを架けた。1試合6本は清原和博、桑田真澄両氏がいた1984年のPL学園に並ぶ記録だ。 しかし、西谷監督は「本塁打のチームではない。気持ちが高まってミートすれば、こうなるんだな」と意外そうに語った。伊藤も「自分たちの代は(本塁打を)打てない。ヒットの延長線上で打っていけたのだと思う」。普段通りの打撃の結果と強調した。 投げては先発した2年生の前田が六回まで1安打に抑え、3人で無失点リレー。三回に走者を送れなかった5番海老根が六回にバント安打を決めるなど、監督が「(点差が開いても)個々にテーマを持って1打席1打席を大事に、丁寧に攻められた」と言うように油断を見せなかった。4年ぶりの頂点に向け、手綱が緩まることはない。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕6回表大阪桐蔭2死一塁、2点本塁打を放つ伊藤=28日、甲子園