開幕前には花巻東(岩手)の佐々木、広陵(広島)の真鍋ら2年生スラッガーが注目を集めていた今大会。しかし、各校のエースが対策を徹底して強打者を封じる場面が見られた。 花巻東を1回戦で破った市和歌山(和歌山)のエース米田は内角攻めが光った。コントロールが甘くなると痛打される危険性もあるコースだが、「強気で押し切らないといけない、という気持ちだった」と攻めの姿勢を貫いた。 一回に高めの速球で空振り三振を奪い、手応えをつかんだ。三回も三振に切って取ると、五回は勢いのある真っすぐだけで押し、4球目にこの日最速の145キロで詰まらせ三飛。「思い切ってストレートを投げ込めた」と胸を張った。 2回戦で広陵と対戦した九州国際大付(福岡)の香西は、得意の変化球を生かした投球。楠城監督を交えて入念にバッテリーで話し合い、長打力のある4番真鍋に対しては「単打でまとめられるように外を攻めた」。スライダーを中心に外角を突いていった。八回に左前打を許したが、この1本だけに抑えて決定的な仕事をさせなかった。 攻め方は違うが、米田、香西ともに持ち味を発揮して強打者の抑え込みに成功した。市和歌山は27日の2回戦で昨秋関東大会を制した明秀日立(茨城)と、九州国際大付は2試合連続2桁安打の浦和学院(埼玉)と準々決勝で対戦予定。打力のあるチームに2人がどのように向き合うか注目したい。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕力投する市和歌山先発の米田=23日、甲子園 〔写真説明〕力投する九州国際大付の先発香西=24日、甲子園