市和歌山の新たなエース、米田が花巻東の強力打線を抑えた。今大会屈指のスラッガーとの呼び声が高かった2年生の佐々木を無安打に封じるなど、相手打線の流れを断ち切った。 立ち上がりは変化球の制球が定まらず、一回無死一、二塁で佐々木を迎えた。しかし、ここで集中力を高める。他の打者に対しては130キロ台だった速球は140キロ台をマーク。強気に内角を突き、最後は高めの速球で空振り三振。この勝負で自信を付け、その後も佐々木に仕事をさせなかった。「インコースで詰まらせることができて、手応えがあった」 昨春はエースの小園(現DeNA)に次いで2回戦で先発したが、チームは敗れた。自信を持って速球を投げ込めなかった苦い経験を糧に、この日は強打者に向かっていき「腕を振って投げられた。成長できた」と胸を張った。 130球を超えた九回は疲れもあってか3点を失ったが、半田監督は「彼がエース。逆転されるまでは彼でいこうと思っていた」。信頼を背に投げ切った。小園から受け継いだ背番号1に「責任感がある」と語る米田。次は昨年できなかった2回戦突破を目指す。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕花巻東に完投勝ちし、喜ぶ市和歌山の米田=23日、甲子園