伊東はこの日、札幌市内で引退記者会見に臨んだ後、夜のナイタージャンプで快勝。自身にとって国内最後の大会で、強さを見せつけた。多くのファンが見守る中、1回目で首位に立ち、2回目も安定した飛躍で着地を決め、両腕でガッツポーズ。「もう一回、現役をやろうかな」とおどけてみせる余裕があった。 大倉山は、2012年にワールドカップ(W杯)で初優勝した時のジャンプ台。思い出深い会場だけに「ちょっと寂しい思いもあった」。それでも、久々の優勝に「この上ない国内締めができた」と誇らしげだ。次週のW杯(スロベニア)で現役ラストジャンプに臨む。 17位だった葛西は「(伊東を)小さい頃から見てきて、家族以上の気持ちを持ってきた。大貴の分まで、これからも飛び続けたい」。大ベテランが後輩の思いを受け継ぐ。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕2回目の飛躍で着地後ガッツポーズする伊東大貴=19日、札幌市大倉山ジャンプ競技場 〔写真説明〕伊東大貴の1回目の飛躍=19日、札幌市大倉山ジャンプ競技場