世界ボクシング協会(WBA)ミドル級スーパー王者の村田諒太(帝拳)との王座統一戦(4月9日、さいたまスーパーアリーナ)に臨む、国際ボクシング連盟(IBF)同級王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)がこのほど、時事通信の書面によるインタビューに応じた。 昨年12月に予定されていた試合は新型コロナウイルスの影響で延期され、トレーニングキャンプも一時中断したが、2月に再開。「状態はとてもいい」と仕上がりに自信を見せている。 ―村田戦は一度延期に。 とてもがっかりしたが、理由は理解できたし、新型コロナで苦しむ日本を思うと心が痛んだ。(試合よりも)日本人の健康こそ優先されるべきだった。 ―不規則な調整を強いられたが状態は。 キャンプの中断中もトレーナーと連絡を取り、コーチと一緒に練習をして、体調と体重を維持していた。自分がコントロールできることに集中した。 ―延期決定の際、村田戦をやめる選択肢は。 なかった。 ―なぜ、拠点の米国から遠い日本で戦うのか。 日本はプロとして試合をする9カ国目になる。(異なる環境は)慣れたものだ。世界チャンピオンは世界中どこでも試合をするべきだ。それに日本には素晴らしいボクシングファンがいる。村田の本拠地で、村田のファンの前で試合をするのは素晴らしい経験になる。これがモチベーションにならないのなら、何だったらなるんだ? ―村田の研究は。 相手を研究し、私と一緒に戦略を立てることもトレーナーの仕事。トレーニングキャンプではそれをやった。村田の試合を見たことはあるし、彼は強いと思う。五輪で金メダルを取って、2度世界王者になったのには理由がある。彼を尊敬している。だから、この試合のために一生懸命練習した。 ―村田戦の先のビッグマッチを期待する声も。 私は先を見ることはしない。今、目の前にあるのは最高の試合だし、そのことだけを考えている。素晴らしいイベントで、同じ世界チャンピオンを相手に自分を試すのが楽しみだ。 (時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕2019年6月、米ニューヨークで行われた試合でKO勝ちしたゴロフキン(AFP時事)