第94回選抜高校野球大会は18日に甲子園球場で開幕する。昨秋の大会で強烈な印象を残した新2年生の強打者らを中心に、出場32校の注目選手を探った。 初優勝を目指す花巻東。強力打線の中心で、どっしり構えるのが新2年生の佐々木だ。米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平らを育てた佐々木洋監督の長男は、恵まれた体格を持つ大会屈指のスラッガー。高校通算本塁打はすでに50本に到達している。 気になるのは昨年12月に両肩の手術を受けたこと。万全の状態で大会を迎えられるかは不透明だが、「ホームランが自分の持ち味。岩手から日本一という目標を達成するために、責任を果たしたい」という意気込み通りの活躍を見せられるか。 佐々木と並び称されるのが、同学年の真鍋(広陵)と佐倉(九州国際大付)の2人。「広島のバリー・ボンズ」の異名を取る真鍋は、長打力と逆方向に打てる技術を併せ持つ。佐倉は明治神宮大会準決勝の大阪桐蔭戦で本塁打を放って注目された。ともに打力のあるチームで4番を務める。 投手で存在感が際立つのも新2年生の前田(大阪桐蔭)だ。左腕から投じる140キロ台の速球で強気に内角を攻め、変化球の質も高い。昨秋は公式戦11試合に登板し、防御率0.78。先発でも救援でも安定した投球を見せ、同校初の明治神宮大会優勝の原動力となった。 新3年生に目を向けても、左の好投手が並ぶ。3季連続の甲子園となる森下(京都国際)は、昨夏4強入りと実績は一番。ピンチでも落ち着いたマウンドさばきを見せる。 大野(大島)は、離島の県立高を九州大会準優勝に導いた本格派。冨田(鳴門)は秋の大会で防御率0点台と安定感があり、初戦の大阪桐蔭戦でどんな投球を見せるか。右腕では米田(市和歌山)が力のある速球と制球力を兼ね備える好投手だ。 野手の新3年生で目立つのは松尾(大阪桐蔭)。3番捕手として強豪校を攻守で支える。野田(九州国際大付)は捕手、投手に主将と「一人三役」をこなす主軸打者。石川(明秀日立)は関東王者のチームの中心を担う。 ◇選抜大会の注目選手 【投 手】 投打 身長 体重 森下 瑠大 京都国際 左左 178 74 前田 悠伍 大阪桐蔭 左左 179 75 米田 天翼 市和歌山 右右 174 78 冨田 遼弥 鳴門 左左 177 80 大野稼頭央 大島 左左 175 63 【野 手】 佐々木麟太郎 花巻東 右左 183 117 石川ケニー 明秀日立 左左 176 75 松尾 汐恩 大阪桐蔭 右右 178 76 真鍋 慧 広陵 右左 189 89 野田 海人 九州国際大付 右右 174 75 佐倉侠史朗 九州国際大付 右左 182 104 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕明治神宮野球高校の部1回戦・花巻東―国学院久我山。1回、先制本塁打を放ちナインに祝福される花巻東の佐々木(右)=2021年11月、神宮球場 〔写真説明〕明治神宮野球高校の部決勝・広陵―大阪桐蔭。力投する大阪桐蔭の前田=2021年11月、神宮球場