苦境を乗り越えてつかんだ白星は格別だ。試合終了を告げる笛が鳴ると、F東京のベンチ前ではアルベル監督を中心に歓喜の輪。「苦しみの後に勝利をもぎ取ったことをうれしく思う」と喜びに浸った。  前半は試合を支配し、23分に先制点が生まれた。高卒新人の松木が泥臭く奪ったボールをアダイウトンが中央へパス。ボールを受けた紺野は「トラップして2タッチでシュートしたら入る」。イメージ通りにゴール右隅へ落ち着いて流し込んだ。  「後半に苦しむことは予想していた」と指揮官。チーム内で複数選手が新型コロナウイルス陽性となり、一時活動を停止。フィジカル面に不安がある中、さらに16分に青木が2枚目の警告で退場となった。以降は防戦一方となったが、GKスウォビィクが再三の好セーブ。7分間のロスタイムも集中は切らさなかった。  王者川崎を苦しめた開幕戦から約2週間ぶりのリーグ戦で新体制の初勝利。「全員が勝利のために貢献し、より強固な集団になれた」と守護神。確かな手応えを手にF東京が再出発した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、先制ゴールを決めてアルベル監督(右)に祝福されるF東京の紺野=6日、ヨドコウ 〔写真説明〕前半、C大阪の原川(右)と競り合うF東京の松木=6日、ヨドコウ 〔写真説明〕後半、ゴールを守るF東京のGKスウォビィク(左から2人目)ら=6日、ヨドコウ
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 新生F東京、再出発=苦境乗り越え初白星―Jリーグ