スノーボードクロスの予選に臨んだ日本勢は中国独特の雪質にも動じなかった。気温が予想よりも高く、黄砂が表面に浮き上がり、滑りが悪くなったコース。そこで生きたのが、大岩根(上肢障害)のワックスだった。  用具(ギア)に詳しく、他の選手から冗談交じりに「ギア岩根」と呼ばれる41歳。中国の雪に適応するワックスを研究し、不純物が付きづらいものを準備してきた。市川はそのワックスを使った2本目にタイムを縮め、順位を一つ上げて6位。「借りたらタイムが出た。気温が高いときはワックス勝負ですね」と感謝した。  個人戦でも、日本チームは助言し合ったりコースの特徴を伝えたり、互いに高め合ってきた。大岩根は「個人的には家族みたい」。高い結束力で6人全員が決勝トーナメントに進んだ。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕男子スノーボードクロス上肢障害、大岩根正隆の予選1回目=6日、張家口 〔写真説明〕男子スノーボードクロス下肢障害LL2、市川貴仁の予選2回目=6日、張家口
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 生きた「ギア岩根」の準備=日本勢、ワックスで協力―スノーボード〔パラリンピック〕