母国がロシアに侵攻されているさなかに出場したウクライナ勢が、バイアスロンで躍動した。全20選手が無事にスタートラインに立ち、表彰台独占を含めて6種目で7個のメダルを獲得した。 男子6キロ立位をボブチンスキーが制し、弾みをつけた。「夜寝る時も、朝起きた時も戦争のことを考えてしまう。難しい状況だった」。それでもレースになれば集中し、感覚を研ぎ澄ませた。強風が不規則に吹く難しい条件の下、射撃はノーミス。安定した走りで他を寄せ付けなかった。 「国を代表して来た。この金メダルは、ウクライナの平和と人々のためのものだ」とボブチンスキー。取材中に同国パラリンピック委員会のスシュケビッチ会長が車いすで近づいてくると、2人は抱擁を交わした。 続く女子6キロ視覚障害でシシコワが頂点に立つと、この日最後に行われた男子6キロ視覚障害では3人が表彰台に。それぞれのガイドとともに6人で喜び合った。金メダルを獲得した選手団最年長43歳のルキヤネンコは言った。「このメダルを、われわれの街を守ってくれている人たちにささげたい」(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕バイアスロン男子6キロ視覚障害で表彰台を独占したウクライナ勢=5日、張家口