日本生命の戦いぶりは危なげなかった。4連覇が決まるとコート上には銀色のテープが舞う。そんな派手な演出とは対照的に、エース平野の喜びは控えめだった。 日本生命の選手層はTリーグの中でもひときわ厚い。2試合を制し、優勝に王手をかけて平野が登場。「自分がどうなっても(後の選手が)取ってくれるという信頼がある。思い切ってプレーできた」 レギュラーシーズンのシングルスで13勝を挙げた17歳の大藤に、最初のゲームは5―11で奪われた。しかし、序盤に苦しんだレシーブを修正し、その後は立て続けに3ゲームを奪取。勢いのある新鋭に対し、きっちりと力を示した。 2017年の世界選手権で日本勢48年ぶりのメダルを獲得し、昨年の東京五輪は団体で銀に輝いた。日本女子を引っ張る21歳は「自分も(卓球を)広めていけるような存在になりたい。もっとたくさんの人に見てもらえるようなリーグになったらいいなと思う」。優勝よりも大きな夢を口にした。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕女子プレーオフファイナル、日本ペイント戦でプレーする日本生命の平野美宇(奥)=4日、東京・アリーナ立川立飛