5球団に1位指名を受けたドラフト会議から5年以上がたった。ソフトバンクの田中正は今季、先発に転向。「自分の投球をどんどんしていこう」と臨んだオープン戦初登板で3回2安打1失点、4奪三振と好投した。 150キロを超える直球は威力十分だった。一、二回を3人ずつでぴしゃり。三回2死から味方の失策が絡んで1点を失ったが、「調子自体は良かった。真っすぐで押していけた」と納得の表情を浮かべた。 創価大から鳴り物入りで入団したが、昨季までは勝ち星なし。周囲が認める才能を生かせずにいた。今年は千賀の自主トレーニングに参加。球界を代表するエースに「能力を信じたらいい」と背中を押され、「自分の持っている可能性を信じ切れば、今までの5年と違う結果が出るんじゃないか」と気持ちが変わった。 キャンプでも精力的に投げ込み、藤本監督から「投手陣のMVP」に選ばれた。開幕ローテーション入りへ向けて着実に歩みを進め、「後悔のない投球を続けていきたい」。飛躍への思いはひときわ強い。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕力投するソフトバンクの田中正=3日、ペイペイドーム