阪神の藤浪は大きな手応えを口にした。「支配的な投球ができたんじゃないかな」。課題の制球難も顔を出さず、ヤクルト打線を2回1安打無失点に封じた。 150キロ台の直球をどんどん内外角に投げ込み、すっぽ抜けるような球はなかった。「ほとんど意図のあるアウトを取れた。しっかりボールを操れた」。キャンプ前半ではブルペンでの投球や実戦で球が荒れることもあったが、修正してきた。 投球の幅も広がりつつある。一回2死二塁で、4番の村上に昨季ほとんど使わなかった110キロ台のカーブを投じ、直後に155キロの直球。緩急を生かして二ゴロに打ち取った。 矢野監督は「きょうの球だったら勝てる投球になってくると思う。もちろんローテーションに入ってこないと困る」と褒めた。昨季は青柳、伊藤将、秋山の3人が2桁勝利を挙げるなど先発陣の層が厚い中、10年目の今季は危うかった開幕ローテーション入りへ、大きく歩を進めた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕力投する阪神先発の藤浪=27日、沖縄・ANAボールパーク浦添