【ラハティ(フィンランド)時事】ノルディックスキー・ジャンプで北京五輪の男子ノーマルヒルで金メダル、ラージヒルで銀を獲得した小林陵侑(土屋ホーム)が、女子の高梨沙羅(クラレ)へ温かい言葉を送った。高梨はオーストリアで25日に五輪中の中断から再開され、27日まで行われるワールドカップ(W杯)を欠場。小林陵はW杯に出場中のフィンランド・ラハティで、「疲れて飛びたくない時は出なくていい」と語った。 高梨は北京五輪の混合団体1回目の飛躍後にスーツの規定違反で失格。懸命に2回目を飛び、日本は4位だった。小林陵は競技後、「たくさんハグしてあげました」と気遣ったが、責任を背負った高梨は自身のインスタグラムで「私の失格のせいで、みんなの人生を変えてしまった」などと謝罪のコメントを記した。 小林陵と高梨は同学年の25歳で、日本の男女エース。高梨は約10年間にわたり世界で活躍を続け、小林陵も3季前に世界トップジャンパーの一人へと成長を遂げた。 高梨がW杯欠場を決めた後、小林陵はツイッターで「疲れたら休む! 自分の人生だもの」とつづった。その意味について「沙羅が欠場を決めて、(出場)枠がどうとか言われる筋合いはない。疲れたら休んでいい」。大切な仲間を思いやる優しさがあふれた。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕UHB杯ジャンプ大会で優勝した小林陵侑(左)と高梨沙羅=2021年10月30日、札幌市大倉山ジャンプ競技場