A 大規模大会でこれ以上はできない、というほど厳格な新型コロナウイルス感染防止対策の下で行われた大会だった。 B 入国は北京からしか認めず。大会に関わる全員が例外なく外部との接触を完全に断った「クローズド・ループ」と呼ばれる空間に入り、行動はその中に制限された。 C ループ外を通って会場やホテル間を移動する際は、すべて専用車両に乗る。毎日の新型コロナ検査も義務で、東京五輪とは違い公共交通機関は使えなかった。 D 外部との接触が全くなく、中国に来たというより、また別の国にいる感覚だった。各人の検査回数、結果などは資格認定証のバーコードで把握していたようだ。 A 利便性よりもまず感染予防。大会関係者の新型コロナウイルス陽性率は0.01%で極めて低かった。市中感染も起きることなく対策は成功だった。 D ただ、交通の面では苦労した。歩いて5分の距離を移動するにも場合によってバスやタクシーを使う必要があり、待ち時間を含め30分以上かかることも。徹底ぶりは見て取れるが…。 B 張家口では選手らがスキー板やスノーボードを持ってメディアバスに乗る姿も見られた。 D 選手村からのバスや車に限りがあり、乗れなかった場合に練習に行くため利用していた。移動手段が限られているループ内では選手たちも苦労した。 A 良かった点といえばボランティアスタッフ。どの会場でも対応が素晴らしかった。 B バスの乗り方など分からないことがあれば親切に教えてくれた。 C ほとんどが大学生らしいが、外国語が堪能で何をするにしても丁寧で好印象。記者会見で中国語から英語、英語から中国語に完璧に通訳する女性もいた。 B 厳しかったのは寒さ。特に張家口が。 D 昼で氷点下20度、夜は25度なんて日も。取材対応する選手も大変そうだった。 B ノルディックスキー複合の渡部暁斗は「こんな寒いレースは経験したことがないぐらい。体の芯まで冷え切って、夜は『寝たら死ぬ』みたいな感じで、体が寝るのを拒絶していた」と言っていた。 C 選手のためにも、取材エリアにもう少し寒さ対策の工夫があってもよかったかもしれない。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕メインメディアセンター(MMC)周辺に設置された柵。大会関係者と外部との接触を遮断する「バブル方式」の境界となっている=1月7日、北京 〔写真説明〕メインメディアセンター(MMC)前で関係者を乗せたバスの到着を待つボランティア=1月8日、北京