北京にはいなくても、ずっと4人を支えていた。カーリング女子日本代表「ロコ・ソラーレ」の生みの親でもある本橋麻里さん(35)は、チームの代表理事として選手の活躍を見守った。銀メダル獲得に、「一人一人が強さと弱さに向き合ってきた4年だったが、成熟度が増して世界で戦えるチームになった」と祝福のコメントを寄せた。 1次リーグのスイス戦。重圧に苦しんでいたスキップの藤沢五月選手(30)は、手の甲に「麻里ちゃん」と記していた。「昨年9月の日本代表決定戦で久々に一緒にいた時、存在のありがたさを感じた。今回もすぐそばにいる感覚でやりたかった」。サードの吉田知那美選手(30)は北京大会前、本橋さんに「誰もメダルが欲しいからと応援しているわけではない。ロコ・ソラーレのカーリングが見たい」と背中を押された。 2018年の平昌五輪ではリザーブとしてメンバーをまとめ、銅メダルを獲得。その後は第一線から退き、4人をバックアップしてきた。「ふと周りを見ると、泣いたり笑ったりしてくれる人がたくさんいるのもカーリングの面白さ。そこを選手は楽しんでいる。重圧を背負っているのに、『心の筋肉』がついたと感じる4年だった」 現在は北海道北見市常呂町を中心にカーリングの普及に取り組み、育成チームで選手としてもプレー。「自分の故郷に誇りを持ってくれる子が増えたのは、すごく私たちのパワーにもなっている」と本橋さん。ロコ・ソラーレとの歩みはまだまだ続く。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕カーリング女子決勝で英国に敗れ、涙ぐむ藤沢(左から2人目)ら=20日、北京 〔写真説明〕カーリング女子決勝で英国に敗れ、悔しそうな(左から)吉田夕、藤沢ら=20日、北京