カーリング女子、ロコ・ソラーレの日本の小野寺亮二コーチ(61)は、精神面からチームを支えている。1次リーグ突破が決まった17日のスイス戦後には報道陣の前で思わず男泣きし、「年を取ると涙もろくなる」と照れくさそうに話した。 出会ったのは選手たちの中学生時代にさかのぼる。娘の佳歩さん(現フォルティウス)が、吉田知那美と妹の夕梨花、鈴木夕湖とチームを結成。その時に指導役をお願いされ、それ以来約17年の付き合い。「嫌になることもあっただろうし、負けたら落ち込むだろう。それでもこの子たちがずっとやれているのは、カーリングが大好きだからだろうな」と温かく見守ってきた。 平昌五輪からの4年間はメダルを獲得したが故の重圧に苦しみ、コロナ下では海外遠征にも行けなかった。そんな中でも壁を一つ一つ乗り越えてきた姿に、小野寺コーチは「4年前より落ち着いているし、余裕を感じる」という。何か印象的な言葉を聞いたわけではない。「家族みたいなもの。子供たちの顔を見ていれば、何も言わなくても分かるでしょう」 現在はミーティングなどで先頭に立つこともなくなった。選手同士で話し合い、計画を立てながら歩んできたからだ。その代わり、相談事があれば個別にやってくるといい、「全然、カーリングと関係ない話もある。そっちの仕事の方が今はメインかもしれない」。優しく笑う視線の先には五輪の舞台で輝く「娘たち」の姿がある。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕カーリング女子1次リーグのカナダ戦前に藤沢(左)と話す小野寺亮二コーチ=11日、北京