【北京時事】国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が18日、北京市で記者会見し、北京五輪のフィギュアスケート女子でドーピング問題を抱えたまま17日にフリーの演技をしたカミラ・ワリエワ(ロシア・オリンピック委員会=ROC)を指導する女性コーチのエテリ・トゥトベリゼ氏に対し、「選手が非常に冷たく迎えられるのを(テレビで)見て、寒けがした。カミラの周辺は、あまり信頼できない印象を持った」と不快感を示した。バッハ会長が選手とコーチの関係性について批判的な見解を述べるのは異例。 優勝候補に挙げられていたワリエワは、フリーの演技で珍しくミスが続いて4位に終わった。AFP通信などによると、トゥトベリゼ氏はワリエワに「なぜそうなったのか」、「なぜ諦めたのか」と責めるように、何度も聞き返すなどした。 大会中に明るみに出たワリエワのドーピング疑惑について、バッハ会長は「私の経験上、ほとんどの場合は周囲の者が関与している」と述べ、今後の調査の行方を見守る考えを示した。 トゥトベリゼ氏は女子で今大会金メダルのアンナ・シェルバコワ、2018年平昌五輪を制したアリーナ・ザギトワ、世界選手権優勝などの実績があるエフゲニア・メドベージェワらロシアのトップ選手を多数指導してきた。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見する国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長=18日、北京 〔写真説明〕フリーの演技を終えた後のワリエワ(中央)とトゥトベリゼ・コーチ(左)=17日、北京(EPA時事)