メダルを獲得しても、五輪開催中に授与式は行われない。メダル自体が剥奪されるかもしれない。ドーピング違反をめぐる問題で、その演技とともに世界中から疑いの視線も浴びるワリエワ。それでも優勝候補筆頭の15歳はリンクに立った。  切ないピアノの調べに乗ったSP。冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は珍しく回転軸がぶれ、着氷で大きくバランスを崩した。何とか転倒をこらえると、その後は2度のジャンプを決めた。ただ、演技後はこらえきれず涙。得点が表示されると不満そうに首を振り、各国の報道陣が集まった取材エリアではひと言も発することなく、足早に通り過ぎた。  16歳未満であることなどを理由にスポーツ仲裁裁判所(CAS)はワリエワの出場継続を認めたが、ドーピング違反の有無が問われるのはこれから。SP開始前、国際オリンピック委員会(IOC)は「違反が確定すればメダル剥奪」との姿勢を明確に示した。  女子の「4回転時代」をけん引するロシア勢の中でも、スケーティング技術やジャンプの精度を含む総合力で頭一つ抜けた存在。「うれしさもあるけど、精神的に疲れている。これは私が乗り越えるべき舞台」。地元メディアにそう語って臨んだワリエワが、SPをトップで乗り切った。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕フィギュアスケートの女子SPで演技するワリエワ=15日、北京 〔写真説明〕フィギュア女子のSPで演技するワリエワ=15日、北京 〔写真説明〕フィギュアスケート女子SPの演技を終えたワリエワ=15日、北京 〔写真説明〕フィギュアスケート女子SPの演技を終えたワリエワ(中央)。左はトゥトベリゼコーチ=15日、北京
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 重圧のリンクで舞う=ドーピング渦中のワリエワ〔五輪・フィギュア〕