フィギュアスケートのアイスダンスで初の五輪に出場した夫婦の小松原美里、小松原尊組(倉敷ク)は12日のリズムダンス(RD)で22位に終わり、上位20組による14日のフリーに進めなかった。団体では日本の初メダルのメンバーにもなった北京五輪。日本代表として、特別な思いも込めて臨んだ大会だった。 2016年に結成し、翌年結婚。二人の夢だった五輪を目指す上で、国籍の問題が立ちはだかった。夫のティム・コレトは米国出身。国籍が違うカップルは五輪代表になれない。 コレトは日本国籍の取得に向け、国内の練習拠点の岡山県で語学学校に通った。「住んだことで、日本を理解できるようになった」。記者の質問に、日本語で応じるようになって久しい。 国籍が取得できたのは20年秋。当時の心境について、美里は「頑張っても行けないかもしれないものが、頑張ったら行けるかもしれないに変わり、さーっと扉が開いたような気持ちになった」。コレトの日本名は「日本武尊(やまとたけるのみこと)」を由来に「尊」となり「日本の昔話についても、もっと勉強したい」との意欲を強くした。 フリーの曲「SAYURI」のナレーションはもともと英語だが、五輪の団体では女優の夏木マリさんに依頼した日本語版を使用した。その後、応援の声は一層届くようになったという。個人戦のRDも、意気込みは団体と同じだった。「日本のために滑る」(美里)と懸命に舞い、夢の舞台を締めくくった。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕フィギュアスケート・アイスダンスのリズムダンス(RD)で演技する小松原美里(右)、小松原尊組=12日、北京