ショッキングピンクの衣装に身を包み、夫婦の小松原組は躍動した。夫の尊は緊張感のあった4日の団体RDより「スピードを出せた」。ただ、回転しながら同調して滑るツイズルがずれるなど、得点は団体より下がった。自己ベストには2.72点届かず、美里は「世界の壁は厚い」と悔しさをかみしめた。 互いに他国の選手とも組んできたが、熱量の違いや金銭面の問題などを理由にカップルを解消してきた。結成は2016年。美里は「目標を決めたら諦めないところに(自分と)近いものを一番感じた」。翌年に結婚して私生活でもパートナーに。20年秋、米国出身の夫、ティム・コレトは五輪代表を見据えて日本国籍を取得した。 今季急成長した村元哉中、高橋大輔組との代表争いを制して、美里は29歳、尊は30歳でたどり着いた大舞台。美里は「初めてアイスダンスを見る方にも楽しんでもらいたかった」。その気持ちも込めて、全力で滑った。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕フィギュアスケート・アイスダンスのリズムダンスで演技する小松原美里、小松原尊組=12日、北京