昨季限りで現役を引退した松坂大輔、斎藤佑樹両氏が、高校生や大学生を指導するための資格を得た。高校時代にエースとして甲子園大会で旋風を巻き起こしてプロになった2人にとって、アマ指導の選択肢が広がることになった。 横浜高を1998年の甲子園春夏連覇に導き、「平成の怪物」の異名を取った松坂氏。同高元監督の渡辺元智さんは教え子の学生野球資格回復に、「栄光も挫折も知っている、そういう人間が指導者になるというのは願ってもないこと。経験をした人が話すことには説得力がある」と歓迎する。 母校に来てもらいたい思いもあるが、同じく資格を回復して複数の高校で指導しているイチロー氏を例に挙げ、「実力校かなどは問わず、純粋に野球界のために貢献してもらいたい。松坂以上の選手を育てるのも夢があるし、野球の楽しさを教える、高度な面を追求する、いろんなカテゴリーの中で与える影響は大きいと思う」と話した。 斎藤氏は2006年夏の甲子園で東京・早稲田実高を選手権大会初優勝に導き、マウンドで汗をハンカチで拭う姿から「ハンカチ王子」と呼ばれて注目を集めた。引退後は今回の資格回復だけでなく、「株式会社斎藤佑樹」を設立したり、プロ(日本野球機構)とアマ(全日本野球協会)が共催する指導者講習会を受講したりと、精力的に活動している。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕横浜高校時代の松坂大輔投手=1998年10月、神奈川・大和市の引地台球場