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もともと投資といえば、貴族や資産家の資産保全のために行われるものが大半でした。しかし、フォーリン&コロニアル社は当時増え始めていた中産階級を販売対象とします。彼らが資本家同様に運用益を享受できるようにした点は画期的でした。低単価で手が届きやすく、複数の外国債券および英国植民地の債券を組み合わせて商品化することでリスク分散もなされており、資産を持ち始めていた中産階級の間で1880年代を中心に大きなブームとなりました。
日本での投資信託の始まりは、1951年6月に「証券投資信託法」が施行された時です。戦後の経済復興に向けて取り組む中、財閥解体などの影響で市場には株式があふれる一方、買い手が不足している状態でした。株価が大幅に下落している上に株式市場も沈滞しており、企業が必要な資金調達を行う環境が整っていませんでした。そこで、国民が保有する預貯金の一部を証券投資に振り向ける投資信託の活用が考えられ、発展を遂げていくことになりました。
新設当時は「単位型ファンドを毎月新設する方式」が採用されています。募集期間1ヵ月、2年間の短い信託期間、販売価額は固定(1口5000円、66年設定分から1万円の額面金額)で販売する仕組みで、個人が購入しやすい上に、金融機関も販売しやすい商品でした。1952年には追加型ファンドの販売が開始されたものの、主流は毎月募集の単位型ファンドで、信託期間が5年に延長されるなどの変遷を辿ります。株式という変動の大きい投資対象であるにもかかわらず、期間が限定されている点は世界的にも珍しいものでしたが、高度経済成長期の株価上昇に伴って拡大基調が続きました。
1990年代後半からは、欧米諸国では一般的であり、2020年代の現代日本でも主流となる「無期限追加型かつ日々変動する時価で販売するファンド」が販売されるようになります。
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インベスコ・アセット・マネジメント株式会社
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また、銀行・証券会社・保険会社などを通じて個人投資家向けの投資信託およびサービスを提供しています。
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