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これらのメッセージを踏まえると、今回のFOMCは市場の事前想定よりもハト派的であったと判断され、金融市場では長期金利が低下する一方、株価が上昇しました。米国金融市場では、先物市場における2024年内の利下げ幅についての織り込みが、前日の2.92回から3.35回へと上昇しました(図表2)。私自身は、FRBは6月会合で利下げを開始し、年内に4回程度の利下げを実施すると見込んでいます。10年国債金利は、前日の4.29%から4.27%へと低下しました。10年金利の低下が小幅にとどまったのは、10年の期待インフレ率(ブレイクイーブン・インフレ率)が2.30%から2.34%に上昇したことによりますが、これは、今回のFOMCで示された2024年10-12月期のインフレ見通しが2.6%と、前回(3カ月前)の2.4%から引き上げられたことを一部反映していると思われます。株式市場においては、年内3回というこれまでのFOMC参加者による利下げ幅についての見通しが維持されたこともあり、S&P500種指数が前日比で0.89%上昇しました。ドル円為替レートはFOMC後に円高方向に振れたものの、前日からFOMC後に円安が進行したことを受けて1ドル=151円程度(3月21日午前8時現在)で取引されています。
パウエル議長が今回の記者会見で述べた通り、今後政策金利の先行きを判断するうえではインフレ指標が最重要となります。4月30日~5月1日に開催予定の次回FOMCまでには、4月10日における3月分のCPI指標の公表が予定されており、その内容が注目されます。また、インフレ指標に大きく影響する雇用統計やその他経済指標にも引き続き注目したいと思います。
木下 智夫
グローバル・マーケット・ ストラテジスト
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MC2024-036
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