- 週間ランキング
日銀会合の翌日(1月24日)の金融市場では、植田総裁の記者会見でのタカ派的な発言によってマイナス金利解除が近いうちに実施されるとの見方が強まり、日本の10年国債金利が0.712%まで上昇しました。私は、10年国債金利が2024年末に0.8~1.2%のレンジに入るという、従前の見通しを維持します(当レポートの1月5日号『2024年の日本金融市場見通し』をご参照ください)。
他方、日銀が4月会合で引き締め政策に転換できないリスクとしては、現在から4月会合までに、①米国景気のリセッション入りが視野に入って日本経済への悪影響が想定されるリスク、➁日本の内需が停滞してしまうリスク、➂春闘での賃上げが前年よりもかなり下回ってしまうリスク―を挙げることができます。ただ、これらはどれもテールリスクと位置づけられます。足元での米国景気はなお民間消費を軸に堅調さを保っており、すぐに米国景気が大きく悪化するとは思えません。米国景気の減速が緩やかなものにとどまる場合には、日本における「賃金と物価の好循環」への悪影響は限定的と見込まれます。日本の内需については、能登半島地震による影響がリスクとなります。被災地での状況は厳しく、被災地での一時的な経済活動の停滞は避けられそうにありません。被災地や被災者の方々に思いを寄せる全国の消費者が今後積極的な消費に対して短期的に後ろ向きになる可能性もあります。私は一日も早い被災地における経済活動の正常化を祈っていますが、正常化が軌道に乗れば、日本経済への悪影響が長期化するリスクは小さいと考えています。
木下 智夫
グローバル・マーケット・ ストラテジスト
ご利用上のご注意
当資料は情報提供を目的として、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社(以下、「当社」)が当社グループの運用プロフェッショナルが日本語で作成したものあるいは、英文で作成した資料を抄訳し、要旨の追加などを含む編集を行ったものであり、法令に基づく開示書類でも金融商品取引契約の締結の勧誘資料でもありません。抄訳には正確を期していますが、必ずしも完全性を当社が保証するものではありません。また、抄訳において、原資料の趣旨を必ずしもすべて反映した内容になっていない場合があります。また、当資料は信頼できる情報に基づいて作成されたものですが、その情報の確実性あるいは完結性を表明するものではありません。当資料に記載されている内容は既に変更されている場合があり、また、予告なく変更される場合があります。当資料には将来の市場の見通し等に関する記述が含まれている場合がありますが、それらは資料作成時における作成者の見解であり、将来の動向や成果を保証するものではありません。また、当資料に示す見解は、インベスコの他の運用チームの見解と異なる場合があります。過去のパフォーマンスや動向は将来の収益や成果を保証するものではありません。当社の事前の承認なく、当資料の一部または全部を使用、複製、転用、配布等することを禁じます。
MC2024-011
The post 日銀政策:1月会合を受けて政策見通しを変更 first appeared on Wealth Road.