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新年明けましておめでとうございます。1月になったということは、2024年の世界市場がどうなるか、予測する時期が来たということです。しかしその前に、昨年1年間で学んだことを振り返ることが重要です―市場、経済、中央銀行について学んだことは数え切れません。そこで、まず2023年に得られた5つの重要な教訓を振り返った上で、今年期待される5つのポイントについて述べることとします。
まとめると明らかに、2023年は市場にとって良い年だったと言えます―「ひどい年」だった2022年の傷を癒してくれました。2022年をカントリー・ミュージックの曲名で表現するとすれば、私なら「How can I miss you if you won’t go away?(去っていかないなら、どうすれば貴方を恋しく思えるだろうか?)」としたでしょう。しかし昨年1年については、全く同じようには感じません。2023年をカントリー・ミュージックの曲名で表現するなら、「If You Leave Me, Can I Come Too?(私を置いて行くのなら、ついて行ってもいい?)」がふさわしいと思います。
つまり、2023年は良い年だったということです。もし投資環境が変化するとしたら、ほとんどの人は、熱心に2024年のスタートを切ろうとは思わないでしょう。
さて、2024年初めの取引営業日数日は、残念なことにより厳しいものとなりました。これは、今年のFRBの利下げ幅に関する不安と混乱の表れと考えられます。またタカ派的な 「Fedspeak(FRB関係者の発言)」や直近のデータも、これに拍車をかけました。
ダラス連銀のローガン総裁は最近の講演で、「抑制的な金融条件は、需要を供給と整合させ、引き続きインフレ期待を良くアンカーさせる(安定的に維持する)上で重要な役割を果たしてきた。十分に抑制的な金融条件を維持しなければ、物価安定の維持は期待できない」と説明しました5。これは、タカ派的な発言がなされている理由を説明する上で役立ちます。
私は、多少の懸念及びボラティリティは続くと考えられるものの、今後数カ月間で出てくるデータによって、FRBが今年大幅な利下げを行うことがより明確になり、株式と債券を後押しするだろうと考えています。言い換えれば、2024年上半期は、ボラティリティは高まるものの、概ね2023年下半期最後の数カ月の続きになるだろうと考えています。
公表日 | 指標等 | 内容 |
---|---|---|
1月8日 | ユーロ圏消費者インフレ期待 | 将来の物価上昇率に関する 消費者期待を測定 |
1月8日 | ユーロ圏小売売上高 | 消費需要を測定 |
1月8日 | ユーロ圏失業率 | 労働市場の健全性を示す |
1月8日 | 米国消費者インフレ期待 (ニューヨーク連銀) | 将来の物価上昇率に関する 消費者期待を測定 |
1月8日 | 米国消費者信用残高 | 個人に供与された与信残高を報告 |
1月9日 | 日本CPI | インフレの動向を示す |
1月9日 | ドイツ鉱工業生産 | 鉱工業セクターの健全性を示す |
1月10日 | 中国ローン残高成長率 | 消費者や企業に供与された ローンを測定 |
1月11日 | 米国CPI | インフレの動向を示す |
1月11日 | 中国CPI | インフレの動向を示す |
1月12日 | 英国国内総生産 | 地域の経済活動を測定 |
1月12日 | 英国鉱工業生産 | 鉱工業セクターの健全性を示す |
1月12日 | 米国生産者物価指数 | 生産者に対して支払われる モノ・サービスの価格変化を測定 |
クリスティーナ フーパー
チーフ・グローバル・マーケット・ストラテジスト
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