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・さまざまな地域や業界の企業に投資できる
・銘柄によっては配当金や株主優待も期待できる
・個別銘柄の情報収集や分析に手間がかかる
参考として、東証プライムに上場している銘柄の予想平均配当利回り(※)は、2023年10月時点で年2.29%です。仮にこの利回りで100万円を運用した場合、資産を200万円まで増やすには約32年かかります。
(※)投資金額に対する配当金の割合を予想したもの。
投資信託は、個人投資家の資金をまとめてファンドを形成し、専門家(運用会社)が運用する金融商品です。ファンドによって運用方針や投資先が異なり、国内外の株式を中心に運用するものや、不動産を中心に運用する銘柄などがあります。
投資信託の取引価格は「基準価額」と呼ばれており、購入時よりも基準価額が上がったタイミングで売却すると、その差額分の譲渡益を得られます。銘柄によっては決算後に分配金を受け取れますが、元本から切り崩して支払われるケースもあるため(※)、分配金が必ず利益になるとは限りません。
(※)ファンドの運用益から支払われる分配金は「普通分配金」、元本の払い戻しにあたるものは「元本払戻金(特別分配金)」と呼ばれる。
<投資信託の特徴>
・一つの銘柄でさまざまな資産に投資できる
・銘柄によっては¥分配金を受け取れる
・保有中に信託報酬などのコストが発生する
投資信託の分配金利回りは、相場にもよりますが高いもので年10~20%程度です。年20%で100万円を運用すると約14年で200万円に達するように見えますが、分配金は投資信託の信託財産から支払われることで基準価額が下がるので、実質のリターンがプラスになるとは限りません。分配金の利回りだけで投資先を選ぶことは控えましょう。
投資信託の中でも、証券取引所に上場されているものは「ETF(上場投資信託)」と呼ばれます。ETFは投資信託と何が異なるのか、主な違いを以下の比較表で確認しましょう。
比較項目 | ETF(上場投資信託) | 投資信託 |
---|---|---|
銘柄数 | 少ない | 多い |
取引のタイミング | リアルタイムで可能 | 申し込みから数営業日後 |
信託報酬 | 投資信託よりも低め | ETFよりも高め |
分配金の再投資 | できない | 銘柄によっては可能 |
(※上記に該当しない銘柄もある)
<ETFの特徴>
・一つの銘柄でさまざまな資産に投資できる
・投資信託より銘柄数が少ない一方で、信託報酬が低い傾向にある
・市場が開いている時間はリアルタイムで取引できる
日本取引所グループの資料(※)によると、分配があるETFの平均分配金利回りは、2019年3月時点で2.15%です。仮にこの利回りで100万円を運用する場合は、約34年後に200万円に達する計算となります。
(※)日本取引所グループ「分配金に着目したETF投資のご紹介 2019年6月版」
国や自治体、企業などが、資金調達を目的として発行する金融商品です。国が発行するものは国債、自治体が発行するものは地方債のように、誰が発行したのかによって名称が異なります。
債券の発行者は資金を借りる見返りとして、それぞれの投資家に利子を支払います。満期を迎えると元本が返還されるため、受け取った利子分がそのまま投資家の利益になります。
<債券の特徴>
・発行体が破たんしない限り、損失のリスクが低い
・満期を迎える前でも市場価格で売却できる
・中途換金をすると金利が下がる
上記の中でも個人向け国債では、年0.05%の最低金利が保証されています。損失のリスクを抑えやすい金融商品ですが、100万円を運用した場合のリターンは年間数百円ほどなので、国債だけで大きく増やすことは難しいでしょう。他の債券についても、基本的にはリターンが少ない傾向にあります。
100万円を200万円にする場合は、税金を抑える方法にも目を向けることが大切です。一般的な投資では、年間のリターンに対して20.315%の税金がかかります。ここからは、税金を抑えるのに役立つ3つの税制優遇制度を紹介します。
新NISAは、2024年1月から始まる制度です。年間360万円までの非課税投資枠の範囲内で、金融商品から得たリターンが全て非課税になります。リターンが非課税で保有できる限度額は1800万円までで、新NISA口座で保有している資産を売却すると限度額が復活するので再利用ができます。
上場株式や投資信託などが投資対象の「成長投資枠」と、一部の投資信託やETFを対象にした「つみたて投資枠」が設けられています。2つの投資枠は併用でき、非課税期間が無期限化されるため、長期間にわたり節税効果を期待できます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、事前に決めた掛金を毎月拠出し、その資金で金融商品を運用する私的年金です。原則60歳以上になると、積み立てた資産を一時金または年金として受け取れます。
iDeCoも運用益が非課税になる制度であり、投資信託や定期預金などで生じたリターンに税金がかかりません。また、毎月拠出した掛金や、60歳以降に受け取る一時金・年金には以下の控除が適用されます。
<iDeCoの控除一覧>
毎月の掛金:小規模企業共済等掛金控除
一時金:退職所得控除
年金:公的年金等控除
ただし、前述の新NISAに比べると、iDeCoは対象商品が少ない傾向にあります。口座開設や掛金の拠出をする前には、目当ての金融商品があることを確認してください。
企業型DCは、勤め先の会社が掛金を拠出し、その資金で加入者(従業員)が金融商品を運用する確定拠出年金です。勤め先が本制度のマッチング拠出を導入している場合は、会社負担分に上乗せする形で加入者個人も掛金を拠出できます。
前述のiDeCoと同じく、企業型DCでも金融商品の運用益が非課税になります。また、加入者個人が拠出した掛金や、60歳以降に受け取る一時金・年金には各控除が適用されます。
ここまでの内容を踏まえて、100万円を200万円にする方法はどのように考えればよいでしょうか。以下では、計画を立てるときの考え方を紹介します。
投資のスタイルは、自分自身で取引のタイミングを判断する方法と、長期の積立投資を継続する方法の2種類に大きく分けられます。
数日~数ヵ月などの期間でこまめに取引をする場合は、的確な投資判断をする知識やスキルが必要です。さらに経済動向や相場状況をチェックする必要があるので、情報収集・分析の時間を確保できないと難しいでしょう。
一方で、投資信託などを活用する長期の積立投資は、銘柄の選択と積立設定をするだけで実行できます。
保有時に手数料がかかる金融商品では、銘柄によってコストが変わることもあります。例えば、組入銘柄が似ている2つの投資信託がある場合は、信託報酬率が低い銘柄を選ぶことで、余計なコストを抑えられるかもしれません。
仮に100万円を投資すると想定して、信託報酬率が年1%と年1.5%の投資信託における保有コストを比較してみます。
<信託報酬の計算方法>
購入金額×信託報酬率×消費税÷365日=1日あたりの信託報酬
※他の手数料や基準価額の変動などは考慮せず計算
<信託報酬が年1%の場合>
100万円×1%×1.1÷365日=約30.1円
<信託報酬が年1.5%の場合>
100万円×1.5%×1.1÷365日=約45.2円
また、リターンがある場合は税金もコストになるため、前述で紹介した税制優遇制度の活用を考えましょう。
生じたリターンを再投資すると、利益が利益を生む状態を作れるため、目標達成までの期間を短縮できる可能性があります。例としては、株式の配当金で他の銘柄を購入したり、分配金が再投資される投資信託を保有したりする方法があります。
ただし、再投資した金融商品の価値が上昇するとは限りません。投資金額を増やすほど損失幅は大きくなるため、再投資をする銘柄は慎重に判断してください。
目標達成までの期間を短縮したい場合は、1%の利回りにこだわることが重要です。割合で見ると小さな差に見えるかもしれませんが、1年間の利回りが1%変わると、100万円を200万円に増やす期間は以下のように変動します。
1年間の利回り | 運用期間 |
---|---|
2% | 約37年 |
3% | 約25年 |
4% | 約19年 |
5% | 約16年 |
(※リターンを再投資しない場合)
長期的に見ると、利回りのわずかな違いが大きな差になることが分かります。特に同じ銘柄を長期で保有する場合は、リスクを考慮しつつ期待できる利回りを計算し、投資資金を2倍に増やすまでの期間を確認しておきましょう。
100万円を運用した結果、資産が減ってしまっては本末転倒です。増やすことを意識し過ぎると、リターン・リスクが高い金融商品に手を出す誘惑にかられるので、まずは減らさないことを前提にリスク許容度を考えましょう。
リスク許容度とは、精神状態や日常生活に支障が出ない損失の範囲です。ご自身の資産状況や家族構成、ライフスタイルなどを踏まえて、「いくらまでの損失なら許容できるか」を考えてみてください。
100万円を200万円にする方法として、元本保証のようなリスクが低い金融商品を選ぶと、資産を目標金額まで増やすのに数十年単位の時間がかかります。そのため、初めに「いつまでに達成するか」という期間を決めて、それを基準に計画を立てることが大切です。
※税務の詳細はお近くの税理士や公認会計士にご相談ください。
※過去の実績は将来の運用成果等を保証するものではありません。
The post 100万円を200万円にするのは可能?投資の注意点・考え方は? first appeared on Wealth Road.