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(勤労者財産形成貯蓄)
財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄については、両制度を合算して550万円までの利子が非課税になります。
元本保証の金融商品を購入したつもりが、誤って「元本確保型」を選んでいた方もいらっしゃるでしょう。いずれも似た意味で使われる言葉ですが、厳密には仕組みが異なります。
元本保証とは、預け入れたお金のうち一定額が目減りしないことを保証するものです。例えば、「1,000万円までの元本保証」が備わっている金融商品では、仮に金融機関が破たんしても1,000万円までの元本と利息が保護されます。
一方で元本確保は、満期を迎えたときに元本が減らないように金融商品を設計することです。あくまで元本を保証するものではないため、発行体の状況や中途解約のタイミングによっては元本割れを起こします。
リスクを抑えるという観点では、元本保証つきの金融商品が望ましいと言えます。ただし、株式などの一般的な金融商品に比べると、元本確保型の商品もリスクが低い傾向にあります。実際にどのような商品があるのか、以下では代表的なものを紹介します。
国が発行している個人向けの債券です。預け入れ期間によって、以下の3種類に分けられています。
名称 | 固定3年 | 固定5年 | 変動10年 |
---|---|---|---|
満期 | 購入から3年 | 購入から5年 | 購入から10年 |
最低購入金額 | 1万円から | ||
発行頻度 | 年12回 | ||
金利のタイプ | 固定金利型 | 固定金利型 | 変動金利型 |
適用利率(税引き前) | 年0.09% | 年0.33% | 年0.51% |
(※適用利率は2023年10月13日時点のもの。)
個人向け国債では年率0.05%の最低金利が保証されているため、国が破たんしない限りは元本割れのリスクがありません(※中途解約をしない場合)。債券の中でもリスクを抑えやすい金融商品ですが、中途解約をするには発行から1年以上が必要です。
都道府県などの地方公共団体が発行する債券です。払い戻しの財源を国が保障しているため、個人向け国債と同じくリスクが低い特徴をもっています。参考として、以下では東京都が発行している地方債を紹介します。
回号 | 満期までの期間 | 表面利率(※) | 条件決定日 |
---|---|---|---|
843回 | 10年 | 年0.800% | 2023年10月18日 |
842回 | 10年 | 年0.739% | 2023年9月15日 |
841回 | 10年 | 年0.678% | 2023年8月9日 |
840回 | 10年 | 年0.676% | 2023年7月14日 |
839回 | 10年 | 年0.657% | 2023年6月14日 |
(※額面金額に対して適用される利率のこと。)
上記の通り、地方債の金利は個人向け国債より高い傾向にあります。ただし、取り扱っている金融機関が限られており、地方公共団体によっては発行頻度が不定期であるため、購入前には十分な情報収集が必要です。
企業が事業資金などを調達する目的で、個人投資家に向けて発行する債券です。満期までの期間や適用金利については、発行する企業によって異なります。国債や地方債より金利が高いものもありますが、発行体によってリスクが変わる点には注意が必要です。発行体の企業が経営破たんした場合は、大きな元本割れになる可能性があります。
また、地方債と同じく発行頻度が不定期であり、取り扱っている金融機関も限られます。
教育資金の準備を目的として、子どもの親が契約者になる保険商品です。商品によって特徴は異なりますが、基本的には子どもの入学時・進学時に教育資金または満期保険金を受け取れます。
契約時の段階で返戻率が100%を超えている学資保険は、途中で解約しない限り元本割れを起こしません。また、支払った保険料は生命保険料控除の対象になるため、一定の節税効果も見込めます。
ただし、あらかじめ教育資金などの受け取り時期が決められるため、予定外の出費に対応しづらい特徴があります。子どもの進路やライフプランを変更する可能性がある場合は、慎重に加入を検討してください。
個人年金保険は、国民年金などの公的年金とは別に加入できる私的年金です。商品によって仕組みは異なりますが、大きくは以下の3種類に分けられます。
名称 | 年金を受け取れる期間 | 死亡時の保障 |
---|---|---|
確定年金 | 一定期間(10年など) | 遺族が年金を受け取れる |
有期年金 | 一定期間(10年など) | 原則なし |
終身年金 | 一生涯 | 原則なし |
また、個人年金保険には将来の受け取り額が決まっている「定額年金保険」と、自身で金融商品を運用する「変額年金保険」があります。このうち、元本確保型に該当するのは定額年金保険です。
この他にも死亡時の保証期間が設定されていたり、外国通貨で運用できたりするものがあるので、加入前には商品の仕組みをきちんと理解しておきましょう。
「確定拠出年金」と呼ばれる制度では、毎月積み立てた掛金で元本保証・元本確保の金融商品を運用できます。以下では1,000万円を運用できる金融商品とともに、各制度の仕組みを紹介します。
個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)は、加入者自身が掛金を拠出し、金融商品の運用まで行う制度です。掛金や運用で積み立てた資産は、原則60歳以降から老齢給付金として受け取れます。
iDeCoの対象商品には投資信託の他、定期預金や年金保険が含まれます。中でも定期預金には1,000万円までの元本保証が備わっているため、損失のリスクを極力抑えながら運用できます。
また、掛金の全額が所得控除の対象になるなど、税制上の優遇措置が用意されている点もiDeCoの特徴です。金融商品から得た運用益も非課税になるため、長く続けるほど節税効果を期待できます。
ただし、対象商品は金融機関によって異なるため、元本保証・元本確保でリスクを抑えたい方は注意が必要です。目当ての商品があることを確認した上で、加入の手続きをしてください。
企業型DCは、加入者の勤め先となる事業主が掛金を拠出し、従業員本人が金融商品を運用する制度です。本制度の「マッチング拠出」が導入されている企業では、事業主分に上乗せする形で加入者本人が掛金を拠出できます。
老齢給付金を受け取れる時期や税制上の優遇措置については、上記のiDeCoと同様です。ただし、事業主が拠出した掛金については、所得控除の対象には含まれません。
また、企業型DCで運用できる金融商品は、事業主の委託を受けた金融機関が取り扱うもののみです。金融機関によっては、目当ての金融商品がない可能性もあるので注意してください。
本記事で紹介した金融商品には、中途解約によって元本割れを起こすものがあります。
例えば、個人向け国債では中途解約をすると、手数料として直近2回分の利子相当額を負担しなければなりません。また、受け取った利子には税金もかかるため、短期間で中途解約を繰り返すと元本割れを起こす可能性があります。
元本保証が備わっている金融商品についても、基本的には中途解約をすると適用利率が下がります。少しでも多くのリターンを受け取るためにも、期間つきの金融商品は満期を前提に考えましょう。
元本保証のある金融商品で資産運用をすると、損失リスクを比較的抑えられます。元本保証には及ばないものの、元本確保型の金融商品にもリスクを抑える効果があります。確定拠出年金も視野に入れて、ご自身に合った1,000万円の運用方法を考えてみましょう。
※本記事は資産運用に関わる基礎知識を解説することを目的としており、資産運用を推奨するものではありません。
The post 1,000万円を元本保証・元本確保で運用できる金融商品と制度を紹介 first appeared on Wealth Road.