2023年6月、投資信託協会より「新NISA成長投資枠の対象商品」が公表されました。成長投資枠では従来の一般NISAとほぼ同じ商品を購入できますが、ETF(上場投資信託)については「信託期間が無期限または20年以上であること」「決算頻度が毎月でないこと」などの要件が新たに設定されています。本記事では新NISAの成長投資枠で購入可能なETFについて、特徴を整理して紹介します。

新NISAの成長投資枠で投資できるETFの特徴7選

対象商品は徐々に増えていますが、本記事では2023年8月1日時点の情報に基づき、新NISA成長投資枠で購入対象となるETF164銘柄(※)について、7つの特徴に分けて説明します。

(※)投資信託協会「NISA成長投資枠の対象商品

【1】代表的な株価指数に連動するETFの特徴

株価指数とは、株式相場全体の値動きを示す指標のことです。新NISAの成長投資枠で投資できるETFの中には、日経平均やTOPIX、S&P500、NYダウなどをベンチマークとしたものがあります。主要の株価指数は常に値動きを確認できるので、ETFの値動きが分かりやすいのも特徴です。

【2】業種別の株式が組み込まれているETFの特徴

国内株式の場合はTOPIX構成銘柄の17業種(セクター)にそれぞれ連動するETFがあるため、関心のある業種に絞って投資ができます。新NISAの成長投資枠で投資できる業種別のETFとしては、食品やエネルギー資源、建設・建材、銀行などが挙げられます。業種ごとに経済状況や社会情勢から受ける影響が異なるので、その時々の相場に合わせて違う業種を対象にしたETFを売買することも可能です。

【3】国別の株式が組み込まれているETFの特徴

ブラジルやタイ、中国などの単一国の株式に投資するETFがあります。今後成長を予想する地域や国に絞った投資もできますが、特定の国の経済状況・社会情勢の影響を直接受けることになるので、各国のカントリーリスクについて確認することが大切です。また、国ごとに流通している通貨が異なるため、ETFの基準価額(※)は為替レートの影響も確認しておきましょう。

(※)ETFを含む投資信託の値段のこと。

【4】REIT関連のETFの特徴

不動産を間接的に運用できるREITがポートフォリオに入っているETFは、少額から不動産への分散投資ができます。新NISAでも国内外の商業・物流施設やホテルなどを対象としたREIT関連のETFがあります。一方で不動産が投資対象であるため、自然災害などで不動産の価値が失われるなど、他の金融商品とは異なるリスクに注意が必要です。

【5】債券が組み込まれているETFの特徴

債券が組み込まれているETFの中には、国債や社債、国債よりもややリスクが高いものの利回りが高めのハイイールド債などで運用されているETFがあります。一般的に株式との連動性が低い傾向にある債券は、株式を投資対象とするETFなどと併せて保有することで、ポートフォリオ全体のリスク軽減効果が期待できます。

【6】コモディティ関連のETFの特徴

新NISAの成長投資枠で購入できるコモディティを対象としたETFは、現時点で金・白金(プラチナ)・原油を中心に運用している3種類しかありません。

一般的にコモディティの値動きは株式や債券と異なるため、ポートフォリオにおけるリスク軽減効果が期待できます。また、インフレによる物価上昇時には、実物資産であるコモディティの価格も上昇する傾向があるためインフレに強い資産といわれており、インフレヘッジ(※)を目的として活用することもできます。ただし、実物資産であるためETFの分配金が発生しない点には注意が必要です。

(※)インフレによる通貨の相対的価値の減少を抑える方法のこと。

【7】為替ヘッジあり・なしのETFの特徴

円以外の現地通貨建ての海外資産(外国株式や外国債券など)を対象としたETFでは、それぞれ為替ヘッジの有無が設定されている商品もあります。為替ヘッジがあるETFは、外貨を売って日本円を買う為替予約取引などを行っており、為替変動の影響を低減させられます。ただし、為替ヘッジを行う場合、コストがかかることもあるので注意しましょう。

為替相場の影響を抑えて運用したい場合は「為替ヘッジあり」、為替相場の影響をダイレクトに受けても大丈夫な場合は「為替ヘッジなし」のファンドへの投資を検討してもいいかもしれません。

まとめ

新NISAの成長投資枠で投資できるETFの種類は豊富にあり、それぞれリスクやリターンの特性が異なります。相場状況に合わせてETFを売買すれば、リスクを抑えてリターンを高められるかもしれません。本記事で紹介した7つの特徴を参考にして、実際に投資したいETFを探してみましょう。

※本記事はETFに関わる基礎知識を解説することを目的としており、特定ファンドの売買や投資を推奨するものではありません。

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情報提供元: Wealth Road
記事名:「 新NISAの成長投資枠で投資できるETFの特徴7選!どんなETFがある?