2つ目の役割は、在宅での運動を支援することです。患者さんが装着しているFitbitスマートウォッチから歩数や脈拍数などの運動の状況の情報を「運動支援アプリ」が取得します。その情報を患者さんが運動支援アプリに入力する体重や生活の質などの情報と合わせて、「運動支援アプリ」とクラウドサーバーが通信し、クラウドサーバー上のプログラムが機能することで、心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(注4)に沿った運動量や運動の強さを提案します。レジスタンストレーニングも必要ですので、音声付きの動画に合わせて同じ運動を行うようになっています。また、患者さんからの声を反映させるため、心不全に特化した患者報告アウトカム(PRO: patient reported outcome)であるカンザスシティ心筋症質問票(注5)(KCCQ: The Kansas City Cardiomyopathy Questionnaire)をアプリ内に導入して、月1回の報告結果を基に、運動支援の一助としています。「運動支援アプリ」は慶應義塾大学医学部と共同で本アプリを開発している株式会社グレースイメージングより提供されました。
(注7) NYHA:ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association)の略で、心不全の重症度を4段階に分類する指標です。具体的には、身体活動によってどの程度症状が出るかで分類されます。NYHA分類の目的は、心不全の重症度を客観的に評価し、治療方針や予後の予測に役立てることです。