オムロン ヘルスケア株式会社(本社所在地:京都府向日市、代表取締役社長:岡田 歩、以下オムロンヘルスケア)と、京都府立医科大学大学院医学研究科 循環器内科学 教授 的場聖明が率いる研究グループが行う経済産業省令和6年度ヘルスケア産業基盤高度化推進事業としての実証調査事業「在宅における心不全ICT*1モニタリングプロジェクト(以下本プロジェクト)」が終了しましたのでお知らせします。 *1 Information and Communication Technology(情報通信技術) 本プロジェクトは、ICTを活用して心不全患者の増悪を未然に防ぐことを目的とした実証調査です。心不全患者はオムロンヘルスケアの心電計付き上腕式血圧計や通信機能付き体重計を用いて家庭で計測したバイタルデータを、スマートフォン健康管理アプリ「OMRON connect(オムロンコネクト)」を介して医療機関と共有します。共有されたデータから医療従事者が患者の状態を把握して必要に応じて適宜介入することが心不全の増悪防止に寄与するかどうかを検証しました。
京都府立医科大学大学院医学研究科 循環器内科学 教授 的場聖明のコメント 私たちは2022年より心不全患者のPHR*2を活用して、慢性心不全患者に対する遠隔モニタリングサービスのパイロットⅠの検証を進めてきました。パイロットⅡとなる今回の検証では、患者さんが家庭で測定する血圧や体重、心電図の記録のモニタリングに加えて医療従事者によるフォローアップを行い、心不全治療における医学的な有用性と治療モデルとしての経済性や拡張性を検証しました。その結果、患者さんのQoLの向上や臨床アウトカムの向上(心不全増悪の低減)への有用性を確認できました。一方で、今後に向けてモニタリングや受診勧奨を行う看護師のリソース確保やオペレーションの工夫といった課題も見えてきました。今後はさらなる検証を重ねていき、心不全治療における有用な治療モデルとしての社会実装を目指していきます。 *2 Personal Health Record(個人の健康や医療に関する情報を生涯にわたって管理するための記録)