住友ゴム工業(株)(社長:山本悟)は、ドレスデン工科大学(ドイツ・ザクセン州)のGert Heinrich教授との共同研究により、タイヤの耐久性能を決定する重要な要因であるゴムの破壊メカニズムを解明しました。この研究成果は、3月6~7日に米国フロリダ州オーランドで開催された米国化学会(American Chemical Society)※1の招待講演で発表されました。
当社はGert Heinrich教授が所属するライプニッツ高分子研究所(Leibniz Institute of Polymer Research Dresden)※2との共同研究により、タイヤの耐久性能を決める重要な要素であるゴムの破壊メカニズムを解明しました。 ゴム材料に生じる割れ目や裂け目が進行する「き裂現象」は、タイヤの耐久性能を決定する重要な要因です。これまでは引き裂き試験などでゴムの耐久性を評価していましたが、き裂先端のミクロスケールでの構造変化については不明点が多くありました。今回の研究ではシミュレーション技術を駆使してゴムのき裂先端にかかる力を解析し、き裂を決定する要因を明らかにしました。 ゴムのき裂先端では膨張変形を受け、ボイド(物体に含まれる微小な空洞)が発生します。ボイドは成長して合一することで、き裂をさらに悪化させます。一方で、ボイドの発生により、き裂先端に集中する応力が低減することも明らかになりました。 当社では引き続きボイドの分散状態を変えた際の力の分布と、き裂特性について研究を継続し、耐摩耗性能に優れた環境負荷の少ないタイヤの開発を進めてまいります。
Gert Heinrich教授はポリマー材料とエストラマー技術分野での世界的権威として知られています。 この度、米国科学会がゴム産業の重要な発明、革新、開発に対して大きな貢献をもたらした個人に授与するGoodyearメダルを受賞しました。 今回の発表はGert Heinirch教授の受賞を記念して開設された特別セッション、Combining Physics, Chemistry &Engineering of Rubber: A Symposium in Honor of Charles Goodyear Medalist Gert Heinrich で招待講演として実施されました。