フューチャー株式会社(東京都品川区、代表取締役会長兼社長 グループCEO 金丸恭文、以下フューチャー)に所属するコンサルタントの車向前、中村早枝香が、国立大学法人北海道大学(北海道札幌市、総長 寳金清博)の北海道大学病院整形外科清水智弘講師が率いるチームと共同推進した研究『Developing Artificial Intelligence for Diagnostic Assistance in Surgical Method Selection for Proximal Femur Fractures(Yutaro Sugawara,Yoshio Nishida,Kosuke Arita, Yusuke Ohashi, Hotaka Ishizu, Katsuhisa Yamada, Norimasa Iwasaki, Xiangqian Che, Saeka Nakamura, Tomohiro Shimizu)』(※1)が、整形外科における国際的な学術集会ORS(Orthopaedic Research Society:米国整形外科基礎学会)(※2)に採択されました。それにともない2025年2月7日から11日に米国アリゾナ州フェニックスで開催されるORS2025にて、本研究内容を発表します。 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502043746-O3-d7pxfX9q】 本研究では、大腿骨近位部骨折において、CT画像から骨折線および骨折型を検出するAIを開発し、その有用性を検証しました。 大腿骨近位部骨折は、多くは骨の脆弱な高齢者が転倒することによって発生し、寝たきりの原因として社会的に注目されています。日本において、大腿骨近位部骨折に関連した手術は年間17万件近く(※3)行われており、整形外科領域で最も多い手術となります。高齢化にともない年々増加傾向であり、2030年には最大約30万例※4の発生数が予測されています。内科的併存症の悪化などの懸念から早期手術・早期離床が求められ、2022年度の診療報酬改訂においても、大腿骨近位部骨折の早期手術治療(受傷日48時間以内)に関する加算が認められています。診断においては救急搬送後X線およびCT撮影を行うのが一般的ですが、整形外科専門医ではない救急外来担当医やプライマリ・ケア医などが担当する場合、画像診断時には骨折の確定診断ができない、あるいは診断までに時間がかかってしまうといった課題がありました。 そこで、北海道大学と当社コンサルタントの車向前、中村早枝香は、画像診断において骨折線および骨折型を検出する機械学習モデルの研究開発を行い、検証の結果、機械学習モデルは整形外科専門医と同等の診断精度を示すことを確認しました。本機械学習モデルを用いることにより画像診断時の見落とし防止が期待できるとともに、整形外科医の術式策定の精度を高め、早期手術を実現できる可能性を示唆しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502043746-O1-qntYo5JJ】 フューチャー株式会社 Strategic AI Group アーキテクト 車 向前 今回の研究成果がORS2025で発表できることを大変光栄に感じております。研究に協力していただいた北海道大学の関係者の皆様へ、心より感謝申し上げます。本研究の成果が大腿骨近位部骨折の早期診断と早期手術に貢献できることを期待しております。今後も技術者として、医療の進歩とAIの社会実装に貢献していきたいと思います。