「フレイルに関する中年世代の意識と実態調査」 ① 早期対策が必要な50代では「フレイル」自体の認知がまだまだ低い 40-60代全体で「フレイルという言葉を知っている」のは23.4%、「フレイルの言葉の意味まで知っている」のは11.9%という結果となりました。年代別で見ると、これまでフレイルの啓発対象であった60代における認知度は52.2%ですが、フレイルの早期対策が必要な50代におけるフレイルの認知度は31%というのが現状です。 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501263373-O13-kLu5jhRd】
② 50代の殆どはフレイルまたはプレフレイルにも関わらず、特に対策できていない 厚生労働省作成「基本チェックリスト」に基づき評価したところ、50代のうち、「フレイル」に該当するのは50.5%、「プレフレイル」まで含めると、50代の90.5%の人が該当することが明らかとなりました(*3)。 50代のフレイルまたはプレフレイル該当者において、基本チェックリスト25項目のうち、該当する項目いずれかに対して「特に対策をしていない」人は87.8%と、なんらかの変化や不調がある場合も、特に対策をしていない人が多いことが明らかとなりました。 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501263373-O14-ZOn7oI7A】 (*3)本調査では、「基本チェックリスト」(厚生労働省作成)25項目のうち、8~25個該当する場合に「フレイル」、4~7個該当する場合に「プレフレイル」としています。
秋下 雅弘先生に聞く!50代からフレイル対策が必要な理由とは? 今回の調査結果について、東京都健康長寿医療センターのセンター長 秋下雅弘先生にお話をお聞きしました。 ① フレイルとは 「フレイル」とは、歳とともに、体力・気力が低下した状態のことです。フレイルの状態となることで、病気になりやすい場合や、生活の質が低下することがあります。 ただし、適切な対策で、健康な状態に戻ることが可能な「可逆性」という特徴を持っています。フレイルの症状には、筋力が低下して転びやすくなるといった身体的な問題、もの忘れや気分の落ち込みが続くといった心理・認知的な問題、社会交流の減少や経済的な困窮といった社会的な問題も含みます。これらは別々に存在しているわけではなく、互いに関連し合っています。
② 50代の9割は、フレイル対策が必要 今回の調査で、50代の半数がフレイルで、プレフレイルを入れると9割が該当という結果には驚きました。日本人の健康寿命もこの先低下に転じるのではと心配しています。調査では、友人関係や外出といった社会参加に関するものでの該当が多い結果でしたが、最近の若者から中年期に一貫したライフスタイルを表しているのではないかと想像します。続いて、運動に関する項目でも該当が多く、運動習慣の不足も影響して筋力低下につながっていることが推察され、若年期からの生活習慣に加えて、ポストコロナでのリモート生活の影響と考えられます。
③ 筋肉量は50代からも減少!ライフコースアプローチの観点からみたフレイル対策の重要性 50代でも筋力、筋肉量は減少してきていますが、普通はまだ生活に影響するほどではありません。しかし、50代という変化の大きな時期に何も対策を講じないでいると、60代、70代とさらに筋肉は減少してちょっとした動作や生活にも影響が出るようになり、また気分的にも行動変化に結びつけるのは難しい、まさに取り返しのつかない状況に陥るリスクがあります。50代ならまだ十分に加齢変化を止め、あるいは回復することも期待できますので、まだ間に合うという意味でフレイル対策はこの時期に始めるのがよいでしょう。
① ペットボトルチェック 筋力低下をはかる一つの目安が握力といわれており、男性は28kg以下、女性は18kg以下だとフレイルの可能性があるといわれています。そして、女性の握力目安と同じくらいだといわれているのがペットボトルのふたを開ける動作で、身近にチェックできる方法の一つです。 ② 5項目のフレイルチェック(*4) 5つの項目に答えることで、「フレイル」の状態になっていないかをチェックする方法です。J-CHS基準をもとに、秋下雅弘先生監修のもと、より分かりやすい表現にしたフレイル チェックとなっています。5項目のうち1つでも該当するとフレイルの可能性があります。1つでもチェックがつく場合は、改善のために「栄養」「運動」「社会参加」の3つの対策を行うことが大切です。 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202501263373-O17-6FxyC0JZ】