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仏教館では、当館の長年にわたる伊豆半島の仏像調査から、平安時代に造られた仏像に注目し、地方に生きた人々の信仰を、仏像から探る特別展『仏像でみる伊豆の平安時代』を開催します。
近代館は企画展『ものがたりをよむ』を同時開催いたします。当館コレクションから、新収蔵・初公開となる小林古径≪井筒≫を中心に、画家たちが魅了され生み出された、さまざまな物語を描いた絵の世界をご紹介いたします。
展覧会概要
1)展覧会名 【仏教館】 特別展 仏像でみる伊豆の平安時代
【近代館】 企画展 ものがたりをよむ
2)会期 2024年10月5日(土)~2025年1月13日(月・祝)101日間
*会期中無休 年末・元日も開館
3)開館時間 9:30–16:30(最終入館は16:00まで)
4)会場 上原美術館 仏教館・近代館
〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
5)料金 一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
※団体10名以上10%割引
※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
6)ギャラリートーク
展覧会をより深くお楽しみいただける、学芸員による作品解説を行います。
開催日時 展覧会会期中の毎月第3土曜日
【近代館】10:00~ 【仏教館】11:00~ 各回約45分
参加方法 時間になりましたら展示室へお集まりください。※要入館券
―展覧会の見どころ
【仏教館】 仏像でみる伊豆の平安時代
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411180145-O1-Jrn41rc9】
■ 仏像から平安時代の地方の息吹を感じる
平安時代に造られた仏像は伊豆各地に伝えられています。本展では、往時の信仰を考える糸口となるような仏像の数々をご紹介します。
三島市安久・長福寺には等身大の仏像が3体伝わっています。今までほとんど知られることがなかった本像は、当館の調査から平安時代に造られた仏像ということが分かりました。寺外で3体すべてそろっての公開は本展が初めてとなります。本像が伝わった三島市安久は大場川の近くに位置し、近辺では仏面が描かれた平安時代の土器が発掘されており、本像とのかかわりも考えられます。
■ 秘仏や非公開の仏像が登場!
河津町峰・善光庵の十一面観音像(静岡県指定文化財)は伊豆の横道三十三観音霊場の霊場第16番札所の本尊です。近くの同町谷津・南禅寺の仏像群(国指定重要文化財)との関連もある本像は、伊豆を代表する10世紀彫刻です。
南禅寺の周辺地域には古仏が点在し、本展で出品される下田市須原・法雲寺の如意輪観音像もそうした作例の一つです。10世紀に造られた如意輪観音像としては、東日本最古を誇る仏像で、当時の伊豆南部地域の信仰を考える上で貴重な作例です。
松崎町に伝わる薬師三尊像(指川区)、不動三尊像(松尾区)もふだんは公開されていない仏像です。本展では、60年に一度に開帳される秘仏や非公開の仏像を展示いたします。
【近代館】 ものがたりをよむ
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411180145-O7-usCG0Vre】
■ 画家たちを魅了した豊かな物語の世界
古くから人々に親しまれてきた「ものがたり」は、歴史や文化を越えて、自由に想像の世界を楽しむことができます。そして、そこに広がる豊かな世界に心ひかれた画家たちによって、多くの魅力的な絵画が生み出されてきました。本展では、新収蔵・初公開となる小林古径≪井筒≫を中心に、画家たちが描き出した物語の世界をご紹介いたします。
小林古径≪井筒≫は、平安時代に著された歌物語『伊勢物語』に主題をとった作品で、二人の幼子が井戸の周りで遊ぶ姿が描かれています。将来を誓い合う二人の無垢な様子を、古径は柔らかな色彩で瑞々しく表現しています。
―主な出品予定作品
[仏教館]
1.≪十一面観音像≫ 平安時代 河津町峰・善光庵 ※静岡県指定文化財
2.≪薬師如来像≫ 平安時代 三島市安久・長福寺 ※寺外初公開
3.≪如意輪観音像≫ 平安時代 下田市北の沢・法雲寺 ※通常非公開
4.≪不動明王像≫ 平安時代 伊豆市大平・金龍院 ※静岡県指定文化財 ほか
[近代館]
1.小林古径≪井筒≫ 昭和25(1950)年頃 紙本着色 49.3×63.5㎝ ※新収蔵・初公開
2.小林古径≪芥川≫ 大正15(1926)年頃 紙本着色 47.5×75.0㎝ ほか