① 日本のデジタル政府が誕生して(以前はe-Gov)まだ20年余しか経過していません。世界もほぼ同じ事象と言えます。本報告は18回に及ぶ研究調査分析の集大成ですが、18年間の時系列分析から得た貴重な歴史的変遷を評価分析しています。将来のデジタル政府像(モデル)を予見するうえで必要な施策を多面的に論述しています。確実に急成長続けるAIが人類社会に挑戦するシンギュラリティ事象を歴史的教訓として是非学んでほしいと思います。
② 今やるべきことは、直面する少子・超高齢・人口減少社会を見据え、デジタル活用による官民連携やイノベーションの推進による行財政のコスト削減や効率化、積極的且つ最適なデジタル投資です。また、深刻な高齢社会問題を基調に国民生活の利便性向上に寄与する施策を率先的に実施すべきです。すなわち、直面するデジタル社会と高齢社会の総合的融合によって、デジタル政府の創生理念であるスピーディな行財政改革と市民中心のワンストップ行政サービスの実行が求められます。
③ ポスト・コロナ時代のデジタル・イノベーション成長戦略の基軸は個別的(部分的)集積ではなく、新総合ロードマップの策定が急がれます。
本評価モデルは2005年に研究所初代所長の小尾敏夫名誉教授によって開発され、ランキング手法が確立されました。当研究所は国際機関APECのデジタル政府研究センターも兼務しています。本研究調査では最新で、かつ最も正確な情報を得てデータ分析及び評価するために、NPO法人国際CIO学会(理事長:岩﨑尚子)の世界組織であるInternational Academy of CIO傘下の提携大学を代表する専門家による合同研究調査チームを編成しています。