DX実現に向けた組織・人材戦略 第1回 開催報告

2023年8月3日
フューチャー イノベーション フォーラム

フューチャー イノベーション フォーラム(代表:金丸恭文・フューチャー株式会社会長兼社長、以下FIF)は、業界や業種を越えて次世代リーダーが交流を深め相互研鑽する場として2007年から毎年テーマを設定し、ワークショップを開催してきました。この度、4年ぶりにオンサイトにて開催したイノベーションワークショップ2023では「DX実現に向けた組織・人材戦略」をシリーズテーマに、全3回の講義とディスカッションをつうじて、日本企業が取り組むべきDX推進やAI等の新たな技術を活用したビジネスと付加価値の創出について考察します。

【第1回開催概要】
プログラム:
第1部 講演
   「AI時代における日本企業のDX人材・組織戦略」
       東京大学大学院 工学系研究科 教授 松尾 豊
第2部  取組み紹介
   「DX人材を生み出す組織~個性を活かし挑戦するカルチャーの醸成」
       フューチャーアーキテクト株式会社 パートナー
       ビジネスコンサルティンググループ 田中 裕之
第3部 意見交換
日 時:2023年7月11日(火) 17:00~19:00
会 場:フューチャーアーキテクト株式会社(東京都品川区)

【講演概要】
東京大学大学院 工学系研究科 教授 松尾 豊
「AI時代における日本企業のDX人材・組織戦略」
ChatGPTは、破竹の勢いで世の中に広まった。生成AIの盛り上がりはある種の社会現象といえるが、「第4次AIブーム」とも呼べるような現状を踏まえ、企業や組織はどのように変わっていくべきか。松尾研究室やスタートアップを見ていくなかで、私は以下の数式(複利計算式)が重要と考えている。
 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202308037750-O5-cRXP3Nl9
          
yを最大にしようとするとき、通常はr(利率)を大きくしようと考えるが、DXの本質はt(運用期間)を大きくすることではないだろうか。本来、一定期間内にtを大きくすることはできないが、いまや「見かけ上の時間を早くする」というかたちでそれが実現できる時代になった。IT関連企業に限らず、企業を成長させるには、 とにかくハイサイクルで試行錯誤を繰り返し、その中で良いと思ったアイデアにアクセルを踏むこと。そして、変化していく市場環境やニーズに応え、マーケティングと事業インフラの両方をハイサイクルで回すことが重要だ。では、なぜ企業のDXは思うように進まないのか。組織というのは、たとえば小売であればまず個人の「良いものを売ってお客様に喜ばれた」という実体験をもとに、より素晴らしい成果を求めて規模が拡大していく。しかし、技術革新が著しいいま、個々のデジタルスキルの課題に加えて、デジタル化のメリットを享受した経験がないままDXを推進せざるを得ないという状況にある。企業は個々の社員が実体験を積んだうえでDXリーダーに就くキャリアパスを用意できるよう、研修や制度設計を考える必要がある。またChatGPTのように誰もが気軽に体験できる生成AIは、企業全体にDXへの理解を広げるきっかけとして有効だろう。

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フューチャーアーキテクト株式会社 パートナー ビジネスコンサルティンググループ 田中 裕之
「DX人材を生み出す組織~個性を活かし挑戦するカルチャーの醸成」
 当社はテクノロジーをベースにしたITコンサルティングサービスを提供している。今回は当社の社員をDX人材とするならば、という視点で人材獲得と定着への取組みについてお話ししたい。
当社は発展途上ではあるものの「成長支援」「評価」「キャリアデザイン」を柱とした人材戦略をとっている。予め決まったキャリアパスは用意せず、一人ひとりが自ら選択し、道を切り拓いていくことで成長を促している。松尾先生のお話でも実体験が重要とあったが、当社では業務での体験をつうじて成長した社員が自身の経験や知識を組織に展開すべく、誰もが参加できる勉強会を自主的に行っている。また企業文化の浸透やキャリアデザインを考えるための縦・横のコミュニケーションの機会を多く設け、プロジェクトと人材の最適なマッチングを行うための面談や本人の意思を尊重したアサインが行われている。人事・評価制度を含め、個々の成長を促し活躍できる環境を整備するための様々な取組みを実践しており、現状においては、組織全体がポジティブな方向に進んでいると感じている。

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【本ワークショップに関するお問い合わせ】
フューチャー イノベーション フォーラム事務局
URL :https://www.fif.jp
facebook :https://www.facebook.com/fif.2006

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 FIFイノベーションワークショップ2023