グローバル不動産総合サービス会社のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町、C&W)は、リテール市況について最新のレポートを発表致しました。
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需給
3年ぶりに行動制限のない年末年始を迎えた2022年第4四半期の小売販売高は消費税増税の影響を除いた2018年を若干下回るレベルまで回復する見通し。うち、全国百貨店売上(既存店)の3か月移動平均値は前年比6.2%増。年央の同22%増からは大幅減速しているものの、インバウンド需要の再開や気温低下から衣料品の販売が好調であった。経済産業省の発表する販売額指数(2015年=100)をみると、年間百貨店売上は2019年の92.9に近いペースまで月間売上高は回復しつつおり、ほぼコロナ前の状況に戻ったと考えてよいだろう。地域別にみると、外出が抑制されてきた都心への人流復帰から中規模都市の売上に若干落ち込みが見られた。一方、11月の全国ドラッグストア(同7.9%増)、全国コンビニエンス・ストア(同7.9%増)などの最寄り品の消費傾向は数量ベースでは概ね変わらず。耐久財消費などは買い控えの傾向が示されている。


一方、新規開発案件のアナウンスをみると、中長期的なエリア再開発が加速している。これまで銀座は地権者の関係調整が難しく、耐震機能に劣る縦長のペンシルビルが多いとされてきた。しかし、ヒューリックは、銀座で保有する37棟のうち、2029年までに少なくとも14棟を建て替える方針を明らかにした。2023年以降に順次完成し、総工費は約3千億円を超える見通し。そして、東急・ヒューリックが主導する渋谷駅東口宮益坂再開発事業(延床面積:200.080平米)は。2028年まで段階的に竣工していく見通し。ほか、大阪では、ヒューリック、竹中工務店、JR 西日本に仏LVMH社 が参画したうえで、心斎橋プラザビルが建て替え予定(延床面積:46,241平米) 。エリア内一等地の再開発が進展していく中、アクセスに見劣りするセカンダリー物件などにおいては、相応の二次空室の発生を見込んでいくべきであろう。



アウトルック
全体の賃料は下落傾向:好立地のハイストリートの賃料は、コロナ前水準への回復が継続する見通し。しかし、今後二年間の全体の賃料水準は、景気減速を反映して賃料下落サイクルが続くことを弊社では見込んでいる。経済回復の遅れる日本では、個人消費の15%程度を占める対人サービス消費は依然としてコロナ前の2019年平均の水準を下回っている。一方、労働者の人出不足は既にコロナ前の水準を上回っているため、客単価の向上を通じた価格転嫁を実現できる高付加価値施設以外においては、コストの高騰、消費の伸び悩み、価格競争の激化、補助金効果の剥落などからテナント賃料負担能力の減退を見込むべきであろう。

エリア別に賃料回復度合いはまちまち:コロナ前後のエリア別店舗賃料の回復度合いはずいぶん異なる。2013年以降は年平均成長率3.1%程度の賃料上昇がすべなく実現しており、募集物件の数が少ない表参道などではコロナ前後を通じてより高い賃料上昇を実現している。一方、コロナ前後の増減が著しい心斎橋、新宿、名古屋栄などにおいては、インバウンド需要の喪失、賃料負担能力の低いアミューズメント系テナントへの入れ替え、再開発の出遅れなどに留意していきたい。

景気サイクルに影響をうけない資産への入替を推奨:資産クラス別にみると、景気サイクルの影響が相対的に限定的で、近隣住民の日常消費を支える食料品店などを旗艦店に据えた近隣型商業施設(NSC)については、賃料、空室率、売買はほぼ変わらず、依然として底堅く推移している。また、立地改善を目的としたREITの物件入れ替えは継続。国内金利の大幅な上昇も見込みがたい環境下、コア投資家に対しては、NSCの推奨を継続する。一方、都市部における物流施設としての坪単価は旧来型店舗としての坪単価を上回る取引事例は、名古屋、大阪などでも散見されている。バリュー・アッド投資家については用途転換も踏まえた幅広い検討を推奨している。

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クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドについて
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(ニューヨーク取引証券所:CWK)は、オキュパイヤーとオーナーの皆様に有意義な価値をもたらす世界有数の不動産サービス会社です。約60カ国400拠点に50,000人の従業員を擁しています。プロパティー・マネジメント、ファシリティー・マネジメント、プロジェクト・マネジメント、リーシング、キャピタル・マーケッツ、鑑定評価などのコア・サービス全体で、2021年の売上高は94億ドルを記録しました。詳しくは、公式ホームページwww.cushmanwakefield.com にアクセスするか公式ツイッター @CushWake をフォロー下さい。

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 C&W、2022年Q4のリテール市況レポート発表、エリア別に賃料回復度合いはまちまち