EY Global Health Sciences and Wellness Strategy and TransactionsリーダーのPeter Behnerは次のように述べています。 「ライフサイエンス企業のM&A活動は回復し始めていますが、2019年の高水準には届かないでしょう。しかし、2021年がM&A活況の年となることを示唆する複数の要因があります。バイオ製薬企業にとっては、商業的な複雑さを軽減する必要性が高まる中、特にがん治療や免疫療法など細分化された疾患領域に注力することが、M&Aを推進する重要な長期的要因となっています。また、潤沢な流動性およびプライベート・エクイティの買い手の存在が、事業売却や疾患領域の深化の機会を生み出しています。パンデミックに起因する臨床試験の遅れや売上減少の状況によっては、成長ギャップがM&Aを急がせる新たな要因となる可能性もあります」
EY LLP Life SciencesパートナーのJohn Babittは次のように述べています。 「医療機器企業にとって、2020年は素晴らしい年になったと考えています。手続が延期されたものの、M&Aファイヤーパワーは業界史上最高の5000億米ドル近くに達しました。しかし、活況でバブル的な昨今のIPO市場や、特別買収目的会社の関与により、このところのM&A活動は複雑化しています。ワクチンが展開され、医療機器業界に予測可能性が戻れば、2021年の同業界のM&A市場は非常に活況なものとなるでしょう」
<EY Firepower指数について> EY Firepower指数は、企業がトランザクションを実行するための資金調達能力を、貸借対照表の健全性に基づいて測定します。Firepower指数が考慮する4つの主要データは、1)現金および現金同等物、2)既存債務、3)債務負担能力(貸付限度額を含む)、4)時価総額です。Firepowerモデルの前提として1)買収企業の現在の時価総額の50%を上回る企業は買収のターゲットとしない、2)結合後の企業の負債資本率は30%を超えないという2点が設定されています。 一部の医薬品企業ではこの上限を超えた買収も行なわれていますが、Firepower指数は一つの水準に基づいた手法を適用して、数値の相対的な変動を測定することを目的としています。また、Firepower指数は現金もしくは借入を資金源としたM&Aの実行能力を測定するためのものであり、株式交換による取引能力の測定は行いません。ただし、Firepower指数の公式上、株価の上昇は数値の上昇につながります。これは株式価値の上昇によって資金調達の際の借入能力が高まるためです。
<EY Health Sciences and Wellnessについて> 力を持つ消費者の台頭、テクノロジーの発展、そしてデジタルに特化した新規参入者の登場が、ヘルスケア事業のあらゆる側面に変化をもたらしています。ヘルスケアにかかわる全ての事業者は、今日のデータにあふれたデジタル主体のエコシステムに適合するため、資本戦略やパートナー提携を含むビジネス慣行を見直し、患者中心のオペレーティングモデルを創出しなければなりません。
EY Health Sciences and Wellnessは、34,000人のプロフェッショナルによる世界規模のネットワークを生かし、顧客エンゲージメントや治療結果改善に向けたデータ中心のアプローチを開発しています。私たちは、クライアント企業が戦略的目標を達成し、最適なオペレーティングモデルを策定し、適切なパートナーシップを形成することにより、現在の繁栄と未来の医療システムにおける成功を実現できるよう支援しています。私たちは、現在のトレンドの意味を理解し、ビジネス課題の解決策を積極的に見つけ、この変革の時代におけるディスラプションの機会をとらえるために、エコシステムを越えて活動しています。