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大鵬薬品工業株式会社
大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之、以下「大鵬薬品」)は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(以下「DMD」)治療薬(開発コード:TAS-205、以下「本剤」)について、国内で第Ⅲ相臨床試験を開始したことをお知らせいたします。
本剤の開発については、2019年12月に国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による平成31年度「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE):第4回公募」に「課題名:患者レジストリを活用した日本発の新規作用機序を有する革新的デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬の開発」として採択されています。今回実施する試験は、歩行可能なDMD患者を対象としたプラセボ対照多施設共同二重盲検比較試験(REACH-DMD試験)で、国内での実施となります。本試験では5歳以上の 男性DMD患者80例を登録する予定であり、本剤あるいはプラセボを 52週間、
1日2回連日経口投与し、本剤の有効性および安全性を検証することを目的としています。本試験(NCT04587908/jRCT2041200055)の詳細 は、以下をご参照ください。(www.clinicaltrials.gov / 臨床研究実施計画・研究概要公開システム)
CiCLE:Cyclic Innovation for Clinical Empowerment
本剤(国際一般名:pizuglanstat)は、大鵬薬品が創製した選択的造血器型プロスタグランジンD合成酵素(HPGDS)阻害剤です。DMD患者の筋肉で炎症反応を亢進させているHPGDSを阻害することでDMD患者の運動機能の低下を抑制する、ジストロフィン遺伝子変異のタイプに制限されないDMD治療薬として開発中です。
HPGDS:Hematopoietic prostaglandin D synthase
大鵬薬品は、アンメット・メディカル・ニーズの高いDMDと闘う患者さんと医療従事者のために、本剤を一日も早くお届けできるよう努めてまいります。
【CiCLE事業について】
産学官連携により、我が国の力を結集し、医療現場ニーズに的確に対応する研究開発の実施や創薬等の実用化の加速化等が抜本的に革新される基盤(人材を含む)の形成、医療研究開発分野でのオープンイノベーション・ベンチャー育成が強力に促進される環境の創出を推進することを目的とする国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の事業です。
【デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)について】
DMDは、筋肉細胞の骨組みを支えるジストロフィンタンパク質の遺伝子変異が原因で、男児に発症する頻度の高い遺伝性疾患です。正常なジストロフィンタンパク質が産生されなくなることで筋力が低下する難治性の重篤な疾患です。有病率は人口10万人あたり1.9~3.4人とされ、日本には3000人から4000人の患者数が推定されています。現在、日本で承認されている医薬品は経口ステロイド剤とビルトラルセンですが、新たな治療薬の開発が期待されています。