まず1組めの Rhizomatiks Research 真鍋大度の作品は,滑走路と並行の走る 約570m の廊下に 314 個の LED を設置。この LED のライティングパターンは, 瀬戸内の波のデータ,そして関西国際空港に海外から入国する飛行機の国際線到着時間のデータから生成されている。医師であり博物学者であったシーボルトを始めとして数多くの欧米人から高く評価された景勝地である瀬戸内海の波周期を,海外から日本に訪れたインバウンドの訪日記録と連動させ,旅行客の活動を瀬戸内の環境の推移とシンクロさせる試みだ。
JAPAN MEDIA ARTS DISTRIBUTED MUSEUM 《DEEP JAPAN》 これは,テクノロジー × 歴史! メディア × 観光! そしてアート × 伝統! これは,メディア芸術を新たなる日本文化史としてマッシュアップさせる「空の玄関美術館」構想である。そしてそれら各構成要素が深く奥行きを持って空港内でメガミックスされてゆく全く新しいネットワーク・ハブであり,各空港をその端末と見立てた今世紀的分散型ミュージアムなのである。今回はこのミュージアムに日本を代表する2組のアーティストが参加する! そして,更に第2期として「岡山芸術交流 2016」参加作家の展示が同じくクリエイティブ・プロデューサー那須太郎氏によりJR関西空港駅構内で展開されるのだ!
絶えず変容していく『Alive Painting』シリーズや,その排液を濾過させるプロセスを可視化し定着させる『Still Life』シリーズなど,パフォーマティブな要素の強い絵画は常に生成され続ける。様々なメディウムや色彩が渾然となり,生き生きと変化していく作品は,即興的な詩のようでもある。鑑賞者はこの詩的な風景に,自己や生物,自然などを投影させながら導かれ入り込んでいく。ソロでは音を『透明な絵の具』として扱い,絵を描くことによって空間や感情に触れる。近年では TEDxHaneda,DLECTROCITY ART FESTIVAL(デトロイト),Solo performance at NEW ARS ELECTRONICA(オーストリア),Biennale Nemo(パリ),LAB30 Media Art Festival(アウグスブルグ),TECHNARTE art + technology(ビルバオ) ,MUTEK モントリオールなどに出演。