2018年11月12日



株式会社ドクタートラスト



「満足度分析によるストレスチェック後の職場環境改善優先度の検討」

日本産業看護学会 第7回学術集会で優秀賞を受賞

~仕事の満足度向上には、業務量よりも裁量が重要~



株式会社ドクタートラスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役:高橋雅彦、以下「ドクタートラスト」)に所属する瀧澤莉代保健師が2018年11月3日、4日に開催された日本産業看護学会第7回学術集会で「満足度分析によるストレスチェック後の職場環境改善優先度の検討」を発表し、最高評価である優秀賞を受賞いたしました。



日本産業看護学会とは

日本産業看護学会とは、産業看護学の学問体系の確立、高度な実践能力・実践方法の開発、体系的な産業看護教育のため、2012年に設立された学会です。産業看護ケアの質の均一化と向上を目指しています。

毎年秋に学術集会を開催し、優れた発表を行った者に優秀賞を授与しています。



受賞タイトル

「満足度分析によるストレスチェック後の職場環境改善優先度の検討」

発表者:瀧澤莉代(ドクタートラスト 保健師)

共同研究者:大西裕美(ドクタートラスト取締役 産業保健看護上級専門家)、吉尾清乃(ドクタートラスト 保健師)



発表内容

ポイント

ドクタートラストのストレスチェックを受検した186,200名の結果を用いて、設問項目のどれを優先的に改善すると「仕事の満足度」向上に影響するかを分析しました。

その結果、「仕事の量」「技能の活用」「家族や友人の支援」よりも「仕事の適性」「上司の支援」「仕事の裁量」を優先して改善したほうが、「仕事の満足度」向上に大きく影響することが判明しました。



① 分析の目的

ストレスチェック制度の法制化から3年目を迎え、ストレスチェック後の集団分析結果を活かした職場環境改善が多くの企業で課題となっています。

そこでより効果的な職場環境改善のために、ドクタートラストで実施したストレスチェックデータをもとに、ストレスチェックの設問項目のうち、どの項目を活かすべきか分析を行いました。

分析手法としては、「不調」を防ぐという“守り”の視点ではなく、“攻め”のメンタルヘルス対策として「仕事の満足度」向上を目指す観点から、満足度分析を用いています。



② 分析方法

分析方法:満足度分析

対象:平成28~29年度の2年間でドクタートラストのストレスチェックを受検した186,200名



(1) ストレスチェックの設問項目のうち、「仕事の満足度」「心身のストレス反応」を除いた27項目について、以下のようにそれぞれの「重要度」と「満足度」の偏差値を求めました。



重要度:「仕事の満足度」に与える影響の大きさ。偏差値が高いほど、「仕事の満足度」への影響は大きい

満足度:ストレスが最も低い回答をした対象者の割合。偏差値が高いほど、現状に満足している人が多い



(2) (1)で求めた重要度偏差値、満足度偏差値を用いて散布図を作成しました。(図1)

(3) さらに、重要度偏差値と満足度偏差値をもとにして「改善度指数」を求めました。(図2)



改善度指数:数値が大きいほど、「仕事の満足度」向上のための改善優先度が高い



③ 結果

上記(1)で求めた重要度偏差値、満足度偏差値を用いて作成したのが、図1の散布図です。



【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201811120235-O1-Eplg1A91

図 1 満足度分析の結果



図1の見方

重要改善項目:「仕事の満足度」への影響が大きい一方で、満足度が低い項目。この項目が、「仕事の満足度」向上に向けて、最優先で改善すべき課題となります。

重要維持項目:「仕事の満足度」への影響が大きく、満足度も高い項目。現在の「仕事の満足度」の源泉であるとみなすことができます。

維持項目:「仕事の満足度」への影響は低いものの、満足度が高い項目。ひとまず現状を維持しておけばよい項目といえます。

改善検討項目:「仕事の満足度」への影響が低く、満足度も低い項目。



さらに上記(3)の手法で改善度指数を求めたところ、図2が導き出されました。



【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201811120235-O4-qWNunn5p

図 2 改善度指数



④ 考察

図1、図2から、改善度指数は「仕事の適性」や「上司の支援」、「仕事の裁量」に関するものが高く、「仕事の量的負担」や「仕事の質的負担」、「技能の活用」に関するものは低いことがわかりました。

また、これにより、「仕事の満足度」向上のためには、「労働時間の削減」よりも、「個々人の適性にあった人事配置」や「裁量度の向上」、さらには「上司の支援体制強化」が重要であることが示唆されます。



ドクタートラストのストレスチェックサービス

ドクタートラストでは、ストレスチェックサービスのオプションといたしまして、上記発表で用いた満足度分析を用いて、企業ごとの場環境改善優先度を導出し、さらには具体的な施策の提案、および実施を行っております。

サービスの詳細につきましては、下記「ストレスチェック実施サービスに関するお問合せ」よりお願いいたします。



【株式会社ドクタートラスト】http://doctor-trust.co.jp/

株式会社ドクタートラスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役:高橋雅彦)は企業ではたらく人の健康管理を専門に受託している会社です。産業医(国内第1位)や保健師などの医療資格者が企業を訪問の上、健康診断結果に基づく健康指導、過重労働者面談、ストレスチェック、職場巡視、衛生委員会への参加などの業務を実施します。



【ストレスチェック実施サービスに関するお問合せ】

株式会社ドクタートラスト 産業保健部

TEL:03-3464-4000

メールフォーム:https://www.stresscheck-dt.jp/sc_form/



情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 仕事満足度向上には裁量~「ストレスチェック後の職場環境改善優先度の検討」日本産業看護学会で優秀賞~