2018年6月19日



アッヴィ合同会社



アッヴィ、1つ以上のレジメンの治療歴がある慢性リンパ性白血病または小リンパ球性リンパ腫の治療薬として、一定の投与期間でのベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用療法が米国FDAの承認を取得したことを発表



●MURANO第III相臨床試験において、ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法は、標準治療の化学免疫療法レジメンであるベンダムスチン塩酸塩+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法よりも再発/難治性(R/R)慢性リンパ性白血病(CLL)患者さんの無増悪生存期間(PFS)に大きな改善をもたらし、病勢進行または死亡のリスクを81%減少(1)

●ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群の奏効率(ORR)は高く、92%を達成(1)

●今回の承認により、ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法はCLLの治療薬として、一定の期間で投与する、従来の殺細胞性の化学療法を含まない最初のレジメンに





2018年6月8日 イリノイ州ノースシカゴ-研究に重点を置くグローバルなバイオ医薬品企業であるアッヴィは、染色体17p欠失の有無を問わず1つ以上のレジメンの治療歴がある慢性リンパ性白血病(CLL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)患者さんの治療薬として、ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用療法が優先審査により米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表しました。



今回の承認はMURANO第III相臨床試験のデータに基づくものです。このデータによって、標準治療の化学免疫療法レジメンであるベンダムスチン塩酸塩+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法よりも再発/難治性(R/R)CLL患者さんの無増悪生存期間(PFS)に大きな改善をもたらし、病勢進行または死亡のリスクを81%減少させることが示されました1。



また、ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群は奏効率(ORR)も高く、92%を達成したのに対し、化学免疫療法レジメン群では72%でした1。



併用療法の安全性プロファイルは、ベネトクラクスの既知の安全性プロファイルと一致しています。ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群で最もよくみられた副作用(20%以上)は、好中球減少症、下痢、上気道感染、疲労、咳嗽および悪心でした1。



ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)はCLLの治療薬として、一定の期間で投与する、従来の殺細胞性の化学療法を含まない最初のレジメンであり、患者さんの選択肢の1つになります。



アッヴィの研究開発担当エグゼクティブ・バイスプレジデント兼最高科学責任者(CSO)のマイケル・セヴェリーノ医師(M.D.)は、次のように述べています。「この度、ベネトクラクスの適応となる患者さんに現在の標準治療よりも病勢進行のリスクを著しく減少させる新たな機会が提供されることとなりました。この併用療法は、治療歴のあるCLL患者さんやSLL患者さんに一定の期間、約2年後には投与を止めることができる、従来の殺細胞性の化学療法を含まない治療を提供します。これは患者さんにとって重要な一歩であり、引き続き、治療が困難な血液がんの患者さんに新たな治療選択肢を継続してお届けすることを心待ちにしています」



ベネトクラクスはFDAから画期的治療薬(ブレークスルー・セラピー)の指定を4回取得しています。これにはR/R CLL患者さんに対するベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与レジメンも含まれています2。ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与レジメンは、ベネトクラクスにとって優先審査を経たFDAによる2番目の承認となります。米国以外でも、保健当局への承認申請および保健当局による審査が進行中です。



MURANO試験の治験責任医師であり、Peter MacCallum Cancer Centre &Royal Melbourne Hospital(オーストラリア)の腫瘍内科部長でもあるジョン・シーモア医学博士(MBBS, Ph.D.)は次のように述べています。「R/R CLLやSLL患者さんの治療薬としてベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法が承認されたということは、第III相試験の結果の正当性が確認されたことを示しています。この試験では、無増悪生存期間において標準治療の対照群よりも大きな改善が認められました。無増悪生存期間は、がん分野で臨床的有用性を示すためのゴールドスタンダードと考えられています」



CLLは一般に進行が遅い骨髄および血液のがんであり、リンパ球と呼ばれる白血球の種類ががんになって異常に増殖します3。米国では、毎年新たにCLLと診断される患者さんが20,000例を超えています3。SLLはCLLと密接に関連していますが、CLLとは異なり、SLLのがん細胞は通常、骨髄や血液ではなくリンパ節や脾臓で見つかります。米国でSLLと診断される患者さんは毎年約5,000例に上ります4。



FDAは、染色体17p欠失の有無を問わず1つ以上のレジメンの治療歴があるCLL患者さんやSLL患者さんの単剤療法としてのベネトクラクスの適応拡大も承認しました。過去においては、2016年4月にCLLに対する最初のBCL-2阻害剤であるベネトクラクスは、1つ以上のレジメンの治療歴がありFDAが承認した検査法で染色体17p欠失が認められたCLL患者さんの治療薬として迅速承認により米国で単剤療法の承認を取得しています5。ベネトクラクスは、アッヴィとロシュ社が開発を行っています。米国ではアッヴィとロシュグループの一員であるジェネンテック社が共同販売しており、米国以外ではアッヴィが販売しています。



MURANO試験について

1つ以上のレジメンの治療歴があるR/R CLL患者さん計389例が国際多施設共同非盲検無作為化(1:1)MURANO試験(NCT02005471)に登録されました。この試験は、ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群(194例)の有効性および安全性を、ベンダムスチン塩酸塩+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群(195例)と比較するためにデザインされたものです。本試験の患者さんの年齢中央値は65歳(範囲:22~85歳)でした1。



米国では、独立中央審査委員会(IRC)の評価によるPFSに基づいて有効性が検討されました。PFS中央値は、ベンダムスチン塩酸塩+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群において18.1カ月であったのに対し、ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群では未到達でした[ハザード比:0.19、95%信頼区間(CI):0.13~0.28、P<0.0001]。PFSの追跡調査期間中央値は23.4カ月(範囲:0~37.4カ月以上)でした。その他の有効性評価項目は、IRCの評価による奏効率(ORR)[完全奏効(CR)+骨髄回復が不完全な完全奏効(CRi)、結節性部分奏効(nPR)または部分奏効(PR)と定義]および全生存期間(OS)でした1。



ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群でグレードを問わず最もよくみられた副作用(20%以上)は、好中球減少症(65%)、下痢(40%)、上気道感染(39%)、疲労(22%)、咳嗽(22%)および悪心(21%)でした。ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群で副作用により投与を中止した患者さんは16%、減量した患者さんは15%、投与を中断した患者さんは71%でした。ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群で副作用により投与を中止した患者さんは10%、減量した患者さんは15%、投与を中断した患者さんは40%でした。ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群で好中球減少症によりベネトクラクスの投与を中断した患者さんは46%、投与を中止した患者さんは3%でした。また、血小板減少症により投与を中止した患者さんは3%でした。ベネトクラクス+リツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群では、病勢進行なくベネトクラクスの最終投与から30日以内またはリツキシマブ(遺伝子組換え)の最終投与から90日以内に発現した致死性の副作用は患者さんの2%(194例中4例)で報告されました。重篤な副作用は患者さんの46%で報告され、最も多く報告された重篤な副作用(5%以上)は肺炎(9%)でした1。



単剤療法試験について

M13-982試験(NCT01889186)は、1つ以上のレジメンの治療歴があり、染色体17p欠失が認められたCLL患者さん106例を対象とした多施設共同非盲検単群臨床試験でした。慢性リンパ性白血病に関する国際ワークショップ(iwCLL)にて更新された米国国立がん研究所作業部会(NCI-WG)ガイドライン(2008年)を用いてIRCが評価したORRでベネトクラクスの有効性を検討しました。評価時点の投与期間中央値は12.1カ月(範囲:0~21.5カ月)でした。試験の結果からORRは80%(95%CI:71~87)であることが示されました。CR率とCRi率はそれぞれ6%と2%でした。nPR率とPR率はそれぞれ3%と70%でした。初回奏効までの期間(TTFR)、奏効期間(DOR)、微小残存病変(MRD)が陰性となった患者さんの割合も評価しました1。



M12-175試験(NCT01328626)は、治療歴のあるCLL患者さんやSLL患者さん(染色体17p欠失が認められた患者さんを含む)を登録した多施設共同非盲検試験でした。2008年度版iwCLLガイドラインに従って67例の患者さん(CLL患者さん59例、SLL患者さん8例)の有効性を評価しました。評価時点の投与期間中央値は22.1カ月(範囲:0.5~50.1カ月)でした。IRCの評価によるORRは71%(95%CI:58~82)、CR+CRi率は7%、PR率は64%でした。治験責任医師の評価によるCLL患者さんのORRは80%(CR+CRi率14%、PR+nPR率66%)でした。治験責任医師の評価によるSLL患者さん8例のORRは100%でした1。



M14-032試験(NCT02141282)は、イブルチニブまたはイデラリシブによる治療歴があり、それらの投与中または投与後に病勢進行が認められたCLL患者さんを対象としてベネトクラクスの有効性を評価する多施設共同非盲検試験でした。2008年度版iwCLLガイドラインに従って127例の患者さん(イブルチニブによる治療歴のある患者さん91例、イデラリシブによる治療歴のある患者さん36例)の有効性を評価しました。解析時点の投与期間中央値は14.3カ月(範囲:0.1~31.4カ月)でした。IRCの評価によるORRは70%(95%CI:61~78)、CR+CRi率は1%、PR率は69%でした。治験責任医師の評価によるORRは65%(95%CI:56~74)でした1。



単剤療法試験3試験の患者さん352例を併合したデータセットを対象として安全性を評価しました。致死性の副作用は患者さんの2%で報告され、そのうち最も多く報告されたのは敗血症性ショック(2例)でした。重篤な副作用は患者さんの52%で報告され、最も多く報告された重篤な副作用(5%以上)は肺炎(9%)、発熱性好中球減少症(5%)および敗血症(5%)でした。副作用により投与を中止した患者さんは9%、減量した患者さんは13%でした。グレードを問わず最もよくみられた副作用(20%以上)は、好中球減少症(50%)、下痢(43%)、悪心(42%)、上気道感染(36%)、貧血(33%)、疲労(32%)、血小板減少症(29%)、筋骨格痛(29%)、浮腫(22%)および咳嗽(22%)でした。最もよくみられたグレード3または4の副作用(5%以上)は好中球減少症(45%)、血小板減少症(20%)、貧血(18%)、肺炎(8%)、リンパ球減少症(7%)および発熱性好中球減少症(6%)でした1。



がん分野におけるアッヴィについて

アッヴィでは、当社がもつ生物学の中心分野の深い知識を、最先端の技術と独自に組み合わせ、科学者、臨床専門家、同業企業、支援団体、患者さんなどのパートナーと協力して、がん治療に変革をもたらす医薬品の発見と開発に努めています。当社は、⼀部の非常に消耗性の高い広範囲ながんの治療法で、このような革新的な進歩を実現することに重点を置いています。また、患者さんが当社のがん治療薬を使用できるようにするためのソリューションの探求にも取り組んでいます。2015年にファーマサイクリックス社を買収し、2016年にStemcentrx社を買収したことで、研究開発活動と共同研究により、現在アッヴィのがん分野のポートフォリオは、市販されている医薬品と複数の新規分子を含むパイプラインで構成されています。それらは20種類を超える、異なる型の腫瘍に関する、200件以上の臨床試験において世界中で評価されています。詳細については、http://abbvieoncology.com.をご覧ください。



アッヴィについて

アッヴィは、世界で最も複雑かつ深刻な疾患に対する革新的な先進治療薬の開発に努めるグローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業です。その専門知識、献身的な社員、イノベーション実現に向けた独自の手法を通じて、自己免疫疾患、がん、C型慢性肝炎などのウイルス感染症およびニューロサイエンスの4つの主要治療領域での治療を大きく向上させることをミッションに掲げています。世界中の人々が持つ健康上の課題への解決策を進歩させるため、75カ国以上の国でアッヴィ社員が日々取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。

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アッヴィ 今後の見通しに関する陳述

本リリースにおける記載には、1995年米国私募証券訴訟改革法に示される「今後の見通しに関する陳述」が含まれています。「確信」「期待」「予測」「計画」という言葉およびそれに類する表現は、一般に将来予想に関する陳述となります。当社からの注意喚起として、このような将来予想に関する陳述はリスクおよび不確実性による影響を受け、実際の結果と将来予想に関する陳述での予測との間に大幅な相違が生じる可能性があります。このようなリスクおよび不確実性には、知的財産に対する脅威、他社製品との競合、研究および開発プロセスに特有の困難、敵対的訴訟または政府による介入、業界に関連する法律および規制の変更などがあります。



アッヴィの経営に影響を及ぼす可能性のある経済、競合状況、政府、科学技術およびその他の要因については、Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に提出済みのアッヴィの2017年度アニュアルレポート(10-K書式)の1A項「リスク要因」に記載しています。アッヴィは、法律で要求される場合を除き、本リリースの発表後に発生した出来事または変化によって、今後の見通しに関する陳述を更新する義務を負わないものとします。



1 Venclexta (venetoclax) [Package Insert]. North Chicago, Ill.: AbbVie Inc.

2 Farrell A. Grant-Breakthrough Therapy Designation (CLL). Department of Health and Human Services. 2016:1-3.

3 American Cancer Society (2015). Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL).

http://www.cancer.org/acs/groups/cid/documents/webcontent/003111-pdf.pdf. Accessed June 2018.

4 Seattle Cancer Care Alliance (2018). Chronic Lymphocytic Leukemia Facts. https://www.seattlecca.org/diseases/chronic-lymphocytic-leukemia-cll/cll-facts. Accessed June 2018.

5 U.S. Food and Drug Administration (2016). News and Events: FDA approves new drug for chronic lymphocytic leukemia in patients with a specific chromosomal abnormality.  

https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm495253.htm. Accessed June 2018.

6 Clinicaltrials.gov (2018). NCT01994837: A Phase 2 Study of ABT-199 in subjects with Acute Myelogenous Leukemia (AML). Accessed June 2018.

7 Clinicaltrials.gov (2018). NCT01794520: Study evaluating ABT-199 in subjects with relapsed or refractory Multiple Myeloma. Accessed June 2018.

8 Clinicaltrials.gov (2018). NCT01328626: A Phase 1 study evaluating the safety and pharmacokinetics of ABT-199 in subjects with relapsed or refractory Chronic Lymphocytic Leukemia and Non-Hodgkin Lymphoma. Accessed June 2018.

9 Clinicaltrials.gov (2018). NCT01889186: A study of the efficacy of ABT-199 in subjects with relapsed/refractory or previously untreated chronic lymphocytic leukemia with the 17p deletion. Accessed June 2018.

10 U.S. Food and Drug Administration (2018). Fact Sheet: Breakthrough Therapies. https://www.fda.gov/RegulatoryInformation/LawsEnforcedbyFDA/SignificantAmendmentstotheFDCAct/FDASIA/ucm329491.html. Accessed June 2018.













情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 慢性リンパ性白血病または小リンパ球性リンパ腫の治療でのベネトクラクスとリツキシマブ併用療法について