被害の多い「〇〇ファンド」
ファンドと名の付くもの、もしくはそれらに類するものに関する被害が後を絶ちません。
・ 医療債券ファンド
・ ワインファンド
・ ラブホテルファンド
・ FX投資ファンド
etc…
どうして被害に遭ってしまうのか
これまで、何度もニュースになってきているのに、それでも多くの人が騙されてしまいます。
「こんなものに、誰が投資するんだ?」
と思ってしまうことでも、いつの間にか誰かが被害に遭ってしまいます。身近な誰かが止めようとしても、耳を傾けてくれない現実もあります。
なぜ、人は騙されてしまうのでしょうか?
「投資話にはもっともらしい説得力がある」
たとえばワインファンド。時間が経てばビンテージワインとして高値で販売されることがあります。ワインを買ってうまく保存しておけば儲かりそうです。
ラブホテルも週末には満室になっている所がたくさんあります。
そもそも、これらを事業としている酒屋さんやホテルチェーンがあるのですから、ファンド形式でも儲けることが可能なはずです。
なぜファンドとして儲からないのか
これらの投資話には、共通して「ファンドに向かない」理由があります。
それは
「公的な時価が存在しない」
ことです。
ワインファンドが買ったワインが1本1万円、ラブホテルファンドが買ったホテルが3億円だとしても、それは「言い値」でしかありません。
ましてや、ホテルの時価が新聞紙上で毎日公表されるようなことはありません。落ちついて考えれば、「そんな高い値段で誰が買うんだ?」と気づくこともあるはずです。
「価格のわかりやすさ」は大切
ファンドの「運用資産」として思い浮かぶものはなんですか?
やはり、株式ですね。上場株式は東京証券取引所で売買されているので、未公開株に手を出していなければ、ファンドが有する資産総額を簡単に把握することができます。
よって、価格の分かりやすさという点で、ファンドで運用する資産に「株式は最も向いている」と言うこともできます。
プロに任せる「安心感」で失敗する
ファンドを運用している人たちが、その世界のプロであることは否定しません。しかし、一般の投資家がその世界の素人であることも事実です。
素人がプロにお任せするのはファンドの基本的な仕組みですが、任せっぱなしにすると失敗するのは仕事もお金も同じです。
大切なのは自分で判断できる世界で運用する意識
ワインファンドに投資したいと思うのであれば、ビンテージワインの相場を知っておくくらいの知識は必要でしょう。
「よく分からないけど、儲かりそう」
こんな根拠のない自信が騙されてしまう原因です。
「ねぇ、それって騙されているんじゃない?」と言われた時に怒りがこみ上げてきたら、黄色信号です。
冷静な判断ができず、論理的に言い返すだけの知識や根拠がないことを意味しているからです。
投資に情熱はいりません。
「応援したい」という気持ちでIT系の株式を購入して、大きく損をした投資家もたくさんいます。
機械的かつ冷静に判断できる意識を保って、投資先を決めていきたいものです。(執筆者:小山 信康)
情報提供元: マネーの達人