来春には日経平均が2万円を視野に入れる。個人的にはそのように想定しています。トランプノミクスによる円安進展と、国内企業業績の明るい見通し。
イタリアの国民投票を無難に通過したことを考えると、市場関係者のマインドは非常にポジティブだと想定されます。
特に、ヘッジファンドの決算期を控える5月頃までは、波乱要素もほとんどないでしょう。ここからはその根拠を述べさせて頂ければと思います。
トランプ氏の経済政策と利上げペースの拡大を背景に、為替は引き続き円安トレンドを想定
トランプ氏の経済政策の柱は財政政策と大幅な法人減税。財政出動よる長期金利の上昇は今後避けられないでしょう。
財政政策とは即ち、景気刺激策。リスクオンをマーケットにもたらす観点からも、円安ドル高を助長します。
つまり、円安トレンドを促す要因はツインアクセル。トランプ氏の政策によるドル買い要因と、マーケットにリスクオンを促す円売り要因。
この二点から円安が想定されるのです。さらに、今後のFOMCでは更なる利上げペースの拡大が想定されます。
これからは利上げを行いやすいタイミング
2016年は米国の良好なファンダメンタルズとは裏腹に、外部要因に左右される形で利上げ出来ず終い。
ここからは、原油価格、中国市場等、外部要因の落ち着きを考えても、非常に利上げを行いやすいタイミングと言えるでしょう。
よって、来期の円安ドル高要因はツインアクセルどころかトリプルアクセル。あくまで私感ですが、ドル円レート120円は単なる通過点に過ぎないと想定しています。
日経平均は5月までに2万円へチャレンジ
5月前には日経平均も2万円にチャレンジしてくると想定しています。
直近の日経平均のPERのレンジを見ると14倍から16倍。EPSに関しては1,160円から1,190円程度。
また、今期、来期共に日系企業の業績見通しは10%程度の増益が想定されています。
出所によって、予想にばらつきはあるものの、市場のコンセンサスは10%程度の増益と言えるでしょう。
つまり、EPSは少なく見積もっても1,250円を超えてくる可能性が高い。また、直近の投資部門別売買動向を見ると、海外勢が国内マーケットに回帰していることが鮮明に分かります。
よって、出来高や売買代金の増加を考えるとPERは直近の上限である16倍程度まで買われてもおかしくない。よって、日経平均は2万500円処まで買われる可能性があると言えるのです。
最後に
イタリアの国民投票を波乱なく通過したことを考えると、市場関係者のマインドは非常に強気。
少しくらいの悪材料では、下落要因にはならないでしょう。目先半年間で注意しなければならないのはヘッジファンドの決算。
6月の決算期を控え、ポジション調整が始まる5月頃にはマーケットも弱含む可能性が高い。いずれにせよ、ここからの押し目は積極的に拾いたい。
円安進展と、企業業績の改善に伴い強気の相場がやって来そうです。(執筆者:徳田 陽太)
情報提供元: マネーの達人