SNSで話題「こどおじFIRE問題」の末路とは?主婦投資家が考察するFIREのしやすさ、難しさ

こどおじFIRE問題」が一部SNSで話題です。

経済的自立かつ早期リタイアを意味する「FIRE」ですが、これには生活費が大きく関係するため、一人暮らしをしている人や家族を養っている人と、親と同居する独身者では難易度が異なります。

断然、生活費の少ない「こどおじ」が有利ですが、経済的に自立していないまま早期リタイアする「こどおじ」は本当のFIREなのかどうかと、話題に上っています。

仕事のリタイアの程度によって実は5種類に分かれるFIREと、達成するためにはいくら必要なのか、そして「こどおじ」が有利な理由について解説します。

SNSで話題の「こどおじFIRE問題」とは?

「こどおじFIRE問題」とは何か

こどおじFIRE問題」の言葉がSNSでトレンドになりました。

「こどおじ」とは、親の援助に依存して実家に住む「子供部屋にいるおじさん」のことで、収入の多くを投資などにあてられるため「FIRE」が達成しやすいです。

ただし、親の経済的な援助が前提条件でもあり、経済的に自立していないまま早期リタイアすることにより「本当のFIREなのかどうか」が議論されています。

そもそもFIREとは何か、5種類ある!?

FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもので、「経済的自立」をして「早期リタイア」することを意味する言葉です。

このFIREには、5種類あります。

  1. ファットFIRE…仕事を完全にリタイアし、資産運用の利益で「高水準な生活」を送ることができるFIREスタイルです。贅沢な生活もでき、難易度は高め。

  2. リーンFIRE…仕事を完全にリタイアし、ファットFIREではないものの、限られた資産でやりくりするFIRE生活。節約し、日々の生活費を倹約しながら過ごす。

  3. サイドFIRE…仕事はリタイアせずに、基本的には資産運用の収入で生活し、足りない分は副業で賄うスタイル。仕事を完全にリタイアしなくてよく、ハードルは低め。

  4. バリスタFIRE…資産運用を収入源にしつつ、パート、アルバイトで収入を補うスタイル。サイドFIREよりも仕事の時間は長め。

  5. コーストFIRE…資産運用で生活できるものの、趣味として仕事するスタイル。サイドFIREやバリスタFIREと違い、資産運用だけで生活ができる点が違うものの仕事の時間は長め。責任のある仕事をしている人もいる。

FIREでよくイメージされるのは、海外リゾート地にひんぱんに旅行したり、外食回数も多い「ファットFIRE」かもしれませんが、質素な生活を送る「リーンFIRE」や、仕事をしながらの「サイドFIRE」や「バリスタFIRE」、「コーストFIRE」もあります。

FIREは仕事のリタイア具合によって5種類

「こどおじFIRE問題」が話題だが…

端的に言うと「こどおじ」はFIREの条件に恵まれています。

なぜかというと「こどおじ」は圧倒的にかかる生活費が少ないためです。

そして、FIREで「経済的自立」をするにしても年間の生活費がいくらなのかは人によって違うため、問題が生まれています。

  • 不動産の所有(実家暮らしか一人暮らしか、住宅ローンはあるか)

  • 未婚か既婚か

  • 子どもの有無

  • 自動車の所有の有無

  • 食費はいくらか

  • アルコールを飲むか

  • たばこを吸うか など

「こどおじ」の極端な例では、実家暮らしで家賃を払っていないため0円、未婚で扶養家族なし、子育てによる教育費の捻出も必要なし、食費はかからないので0円、そして、アルコールやたばこなどの費用も親が払ってくれるため0円、また恵まれている場合は親からお小遣いをもらえるケースさえあります。

その場合、収入の多くを投資、貯蓄することができ、FIREがしやすいわけです。

いくら生活費がかかるか把握している?「4%ルール」と言われている

このFIRE、「半永久的に資産が目減りすることなく生活ができるという考え方」で、代表的なものは「4%ルール」の考え方です。

この考え方では、

資産運用での利益範囲内で生活を続ければ、資産が目減りせずに生活ができる

という考え方です。

例として、1億円を4%の高配当の株式に投資すれば、減配がない限り400万円(税引前)もらえます。2億円なら、800万円(税引前)です。

ただ、子育て家庭なら年間400万では生活できないと感じる人もいることでしょう。

生活スタイルにもよりますが、自動車の買い替えがあればすぐになくなりますし、子どもの進学に関わる教育費もあれば入学金などが一気に必要で、不安に感じるかもしれません。

しかし、「こどおじ」なら食費は親が払い、扶養する家族もいなく、実家暮らしならマンションや戸建てを買わなくてよいため住宅ローンもなく、人によっては自動車にも乗らないため必要経費が最小限で、年間400万あれば余裕があると感じる人もいることでしょう。

このFIREという言葉ですが、経済的自立をするために必要な金額が人によって違うので、嫉妬や軋轢(あつれき)を生じやすい状況です。

「こどおじ」は、家賃0円、食費0円の人もいるのに対して、住宅購入して住宅ローンがある場合、また、子育てをしていると教育費がかかるケースもあるため、高収入でも支出が多くFIRE達成が難しいと考える家庭からすると、嫉妬の対象になりやすいわけです。

あなたの家庭はFIREに「いくら必要」?

「こどおじ」に代表されるようにそこまで資産がなくても充分に生活していける場合では、3,000万円(4%ルールで年間120万円)、5,000万円(4%ルールで年間200万円)でも充分に生活できると考える人もいます。

一方、2億あっても4%ルールで800万円となり、これは余裕があるように思えますが、教育費が複数人かかる場合、また自動車を購入する年があれば一気に減るわけなので、どれだけあっても不安に感じる人もいるかもしれません。

4%ルールで得られる配当でも生活できるかどうかはその人による

たしかに「こどおじ」はFIREしやすいが、人と比べないこと

「こどおじFIRE問題」では、「こどおじ」がFIREできる資産額が子育て家庭などと比較して圧倒的に少なくてよい点や、食費や住居費がかからないことに対しての嫉妬もありそうです。

FIREも5種類あり、自称FIREの人の暮らしぶりもさまざま。

FIREしていた人が生活資金の不足に気づいて再び働き始める「FIRE卒業」に対しても賛否両論あることをふまえると、FIREという言葉にとらわれず、人とも比較しないことが大切です。

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 SNSで話題「こどおじFIRE問題」の末路とは?主婦投資家が考察するFIREのしやすさ、難しさ