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2024年の元旦に発生した能登半島地震で被害を受けた皆様には、心からお見舞いを申し上げるとともに、亡くなった方には謹んで哀悼の意を表します。
現在は余震が続いているだけでなく、物資などが十分に届いていないと聞きます。きっと将来のことを考える余裕はないと思います。
ただ落ち着きを戻してきたら、自治体が支給する見舞金、公的な貸付制度、社会保障制度などを活用して、各人の生活を再建していくはずです。
また亡くなった家族が加入していた生命保険の保険金を請求したり、相続の手続きを行ったりすると思います。
例えば遺品を整理している時に、タンスの中に保管されていた保険証券や、保険料の口座振替の記録がある預金通帳などが見つかれば、亡くなった家族と取引のあった生命保険会社がわかります。
そこに連絡して必要な手続きを教えてもらえば、保険金の請求が可能になるため、請求漏れを防げるのです。
一方で水害によって自宅が流されてしまった場合には、保険証券などを見つけるのが難しくため、請求漏れが起きやすくなります。
これを回避するためは、心当たりのある生命保険会社に連絡して、契約の有無などを調べれば良いのですが、心当たりが多い場合には手間と時間がかかります。
また保険金の請求や相続税の申告には所定の期限があるため、早めに調べる必要があるのです。
そのため亡くなった家族の保険契約などを一括で調べられる、次のような制度を利用してみるのが良いと思います。
災害救助法が適用された地域で被災して亡くなったり、行方不明になったりした家族の生命保険の契約を、一括して調べる方法としては、生命保険協会が実施する生命保険契約照会制度があります。
この制度を利用すると生命保険協会が、所属する会員会社(国内のすべての生命保険会社が加入しており、2023年6月時点で42社)に、契約の有無を確認してくれるため、一括して調べられるのです。
ただ調べられるのは契約の有無だけになるので、その具体的な内容などについては、契約があった生命保険会社に問い合わせる必要があります。
また照会を依頼できるのは、亡くなった方の配偶者、親、子供、兄弟姉妹や、これらの代理人であり、災害時に関しては料金がかかりません。
なお2021年7月1日から災害が起きていない平時でも、生命保険契約照会制度を利用できるようになりました。
これにより平時に病気で亡くなった家族や、認知能力が低下(医師の診断が必要)した家族の生命保険の契約も、一括して調べられるようになったのです。
基本的な仕組みは災害時と同じですが、平時での照会は3,000円の料金がかかります。
災害救助法が適用された地域や、
金融庁国民保護計画に基づく対応要請があった地域で、
保険証券などの損害保険の契約に関する手掛かりをなくしたため、保険金の請求ができない場合があります。
こういった時には日本損害保険協会の中に設置された、自然災害等損保契約照会センターが実施する、自然災害等損保契約照会制度を利用してみるのです。
照会を依頼すると自然災害等損保契約照会センターが、協会の会員会社(2021年7月時点で29社)に、契約の有無を確認してくれるため、一括して調べられるのです。
また照会を依頼できるのは被災者本人と、その方の配偶者、親、子供、兄弟姉妹になります。
生命保険協会が実施する生命保険契約照会制度は、契約が見つかったのか否かにかかわらず、生命保険協会から連絡があります。
一方で自然災害等損保契約照会制度は、
契約が見つかった時には契約中の損害保険会社から、
契約が見つからなかった時には自然災害等損保契約照会センターから
連絡があります。
また自然災害等損保契約照会制度は災害時を想定した制度のため、平時に病気で亡くなった家族や、認知能力が低下した家族の損害保険の契約は調べられません。
災害時か平時かを問わず、亡くなった家族の預金口座を一括して調べる方法はないため、心あたりのある銀行に対して、個別に問い合わせる必要があります。
ただ2011年3月に東日本大震災が発生した際には、東日本大震災に係る被災者預金口座照会制度という、被災して亡くなった方や行方不明になった方の預金口座を、一括して調べられる制度が設けられました。
そのため今回の能登半島地震でも、状況によっては同様の制度が実施される可能性があります。
いずれにしろ預金口座が見つかっても、銀行は亡くなった方の預金口座を凍結するため、遺産分割が成立するまでは原則的に預金を引き出せないのです。
ただ2019年7月に遺産分割前の相続預金の払戻し制度が始まったため、1つの銀行につき150万円までなら、遺産分割が成立する前でも預金を引き出せるようになりました。
これにより当面の費用を亡くなった方の預金口座から賄えるので、葬儀代などの心配が軽減されると思います。
生命保険は、
貯蓄型(終身保険、養老保険など)と、
掛け捨て型(定期保険など)に
分かれます。
近年は貯蓄型の予定利率(契約者に約束する運用利回り)が低下し、お金が増えにくいため、「掛け捨て型に加入したうえで、資産運用は生命保険以外を利用した方が良い」という意見があるのです。
個人的にも同意見なのですが、災害などが発生した際には、予定利率が低かったとしても、貯蓄型が良いのではないかと思う時があります。
その理由として貯蓄型に加入していると、解約返戻金の範囲内で生命保険会社から貸付を受けられる、契約者貸付という制度を利用できる場合があるからです。
また契約者貸付に適用される貸付利率は、「予定利率+〇〇%」という設定の場合が多いため、予定利率の低い方が有利になるからです。
将来のために生命保険は解約したくないけれども、生活を再建するための資金がすぐに必要という方は、契約者貸付の利用を検討してみるのが良いと思います。
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