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年末年始は忘年会、新年会のシーズンとなり、他の月と比べてもお酒を飲む機会が増えることが予想されます。
年金額が少ない方は医療費控除よりも「高額療養費」の知識を身につけよう
あってはなりませんが、飲酒運転によって負傷した場合であっても治療しないというわけにはいかず、その場合の健康保険上の取り扱いはどうなるのでしょうか。
健康保険法上では、自己の故意の犯罪行為や故意に給付事由を生じさせた時、保険給付は行わないとする条文があります(健康保険法第116条)。
端的には刑法や他の法律に違反をし、処罰された時を想定しており、その1つに飲酒運転によって事故を引き起こし、かつ、負傷した場合等が挙げられます。
この場合、健康保険法上の解釈としては故意の犯罪行為と解釈します。
健康保険については被保険者だけでなく、例えば家族を扶養している場合には「被扶養者」に対しても被保険者証が交付されます。
今回のような事例にあたった場合を検討してみましょう。
仮に被扶養者がドライバーとして飲酒運転をし、事故を引き起こしたとします。
そして、当該事故によって負傷した場合、当然、被扶養者自身の保険給付は制限されることとなります。
また、「被保険者」がドライバーとして(飲酒運転により)被扶養者に怪我を負わせた場合には、家族療養費等は給付対象とならなくなります。DVによる取り扱いとは異なるため、注意が必要です。
よって、倫理上も保険給付上も年末年始の期間中に関わらず、飲酒運転は絶対にしてはならないということです。
飲酒運転に限らない交通事故や喧嘩、他人の飼い犬に噛まれた時など、「第三者の行為」によって発生した怪我や病気の場合はどうなるのでしょうか。
この場合、健康保険を使って治療を受けること自体は可能ですが、そもそも当該治療に必要な医療費は、加害者が負担すべき医療費と言わざるを得ません。
よって、保険者(例えば協会けんぽ)が「立て替え」によって、負担することとなり、将来的に加害者に請求することになります。
言い換えると、保険者が被害者に代わって、保険給付を行った範囲内で加害者に損害賠償請求をおこなうという理解です。
労働者の場合、仕事中や通勤途中での怪我は、第三者行為に関わらず、そもそも健康保険ではなく、労災保険からの給付を受けることになります。
もちろん、健康保険を使った治療はできませんので、職場の労災保険等の担当者や職場の所轄労働基準監督署とよく相談して手続きをする必要があります。
また、判断に迷う場合も事前に相談しておくことが無難です。
例えば麻薬の使用によって何らかの病気に罹患した場合も犯罪行為に該当しますので、飲酒運転と同様の理解です。
また、犯罪行為ではない場合であっても、正当な理由がないにも関わらず、保険医の指示を無視し無用に治療を長引かせる場合や病気を悪化させるような行為をした場合も、保険給付の全部または一部が制限されるケースに該当します。
「飲酒運転」は、例外なく「道路交通法」に反する明らかな犯罪行為です。
飲酒は本人の自覚以上に意識や反応速度に大きな悪影響を及ぼしますので、当該行為によって事故を引き起こし、負傷した場合、「飲酒」と「交通事故」については、通常、因果関係があると考えられます。
よって、健康保険上の保険給付は行われないと解されます。
すなわち、治療費は全額自己負担となるため、相当な高額負担が容易に想像できます。
また、仕事を休み給与がない状態であったとしても、保険給付には制限がかかりますので、傷病手当金の支給対象にもなりません。
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